1: 2019/01/20(日) 18:07:22.13 ID:CAP_USER
スーパーで気軽に買えたタコが、最近値上がりして買いづらくなったと感じている方も、多いかもしれません。タコの国内の漁獲量が最盛期の3割にまで落ち込み、海外からの輸入も激減しているためです。
強い危機感をもった広島県尾道市にある研究機関は、不可能とも言われてきたタコの養殖につながる技術を開発しました。

(中略)

■原因不明の死
漁獲量の減少が顕著なタコ。このままでは将来、タコがいなくなってしまうのではないかと強い危機感をもった山崎さんは、10年以上前からタコの資源を回復させようと養殖技術の開発に取り組んできました。

しかし、ふ化したタコは20日以内に9割近くが原因不明で死んでしまい、ほぼ壊滅状態に。

「ふ化はしても成長しないーー」
この問題が半世紀以上にもわたって、研究者たちを悩ませてきました。

餌や水温を変えるなど、あの手この手で試してきましたがうまくいかず、研究をあきらめようかと悩んでいた山崎さん。

水槽を眺めていたある日、水の流れに原因があることを突き止めたのです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190117/K10011781001_1901171456_1901171547_01_08.jpg

酸素を供給するエアポンプの泡は上に向かって流れます。その流れが水面までたどりつくと、今度は跳ね返って下向きに流れるため、小さなタコはそれに巻き込まれて水槽の底に流されていたのです。

このことが餌を食べる時に問題になっていました。幼いタコは本能的に天敵の多い海底を嫌がるため、底に流されると食べようとしていた餌を離して浮上してしまうのです。再び餌を捕まえても同じ事を繰り返してしまい、衰弱して死んでいたのです。

■対策1:カギは“水の流れ”
それならばと、強い流れが起きるエアポンプを使うのをやめ、酸素を含ませた海水を直接、底のほうから流してみたところ、水の流れは従来の下向きから上向きへと変わりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190117/K10011781001_1901171449_1901171547_01_09.jpg

効果は絶大。
タコが生後20日まで生き残る割合は、これまでの14%から77%に一気に改善しました。

■対策2:餌の餌に着目
さらに山崎さんが注目したのは稚ダコが食べる餌です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190117/K10011781001_1901171539_1901171602_01_10.jpg

「餌だっておいしい餌が食べたいんです」

そう言いながら見せてくれたのは、タコの大好物、ワタリガニの赤ちゃんです。

山崎さんは、このワタリガニの赤ちゃんにプランクトンを与えて栄養価を高めてからタコに与えてみたところ、生後20日のタコの体重は従来は2ミリグラムだったものが、改良後は10ミリグラムに。

生き残る割合だけでなく、成長速度を格段に上げることにも成功しました。

■半世紀越しのタコ養殖に活路
この成果に、いまでは岡山県や香川県それに民間企業も加わり共同研究を行っていて、タコの養殖に熱い視線が注がれています。

山崎さんは「50年間越えられなかった壁を、今回越えられました。5、6年から遅くとも10年先には皆さんの食卓に養殖したタコを届けたいです」と意気込んでいました。

今後は、ふ化したタコを出荷できるサイズまで安定的に成長させることが目標です。

また、タコは成長すると共食いをすることがあるので、これをどう防ぐかも課題だということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190117/K10011781001_1901171648_1901171650_01_05.jpg

NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190117/k10011781001000.html

ダウンロード (5)

引用元: ・【水産技術】激減のタコ 不可能だった養殖を実現へ[01/17]


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Source: 理系にゅーす