私は生粋の神奈川人。答えられねば沽券(こけん)に関わる。だが、湘南がどこまでなんて突き詰めたことがない。しばし黙考した末「茅ケ崎市から葉山町まで」と答えた。
そのとき頭に浮かんだのは、映画「波の数だけ抱きしめて」(1991年)だった。主要登場人物は湘南の大学生4人。茅ケ崎市でミニFM局を運営している。夢は湘南じゅうに放送を飛ばすこと。ミニFMの電波は半径200~300メートルしか届かないが、中継局を置いてリレー方式で放送範囲を広げようと試みる。そのゴールが葉山町の森戸海岸なのだ。
きっぱりと答えておきながら、個人的思い入れを根拠にした後ろめたさがあった。そもそも正解を知らない。
県がすすめるプロジェクト「かながわシープロジェクト Feel SHONAN」のホームページによれば、相模湾沿いの13市町をSHONANと呼ぶらしい。うち「湘南地域」は藤沢市から二宮町までの3市2町。一方、自動車の湘南ナンバーエリアには山北町など海のない自治体が含まれる。ネット上に目を向けるとどこそこが入る、入らないで論争が……。
ブランド力があるだけに、それぞれの都合に合わせた解釈が生まれたということか。
湘南とは切っても切れない海水浴場は結局開かれず、2020年の夏はすぎた。【岩崎信道】
https://mainichi.jp/articles/20200923/k00/00m/040/029000c
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/09/23/20200923ddlk14040283000p/0c8.jpg
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Source: 理系にゅーす