1: 2018/09/24(月) 12:00:49.12 ID:CAP_USER
 生きものも存在せず、何も起こらない退屈な世界と思われがちな月。だが、遠目には静かに見えても、実際にはダイナミックな世界であることを忘れてはならない。わずかに存在する月の大気を観測したところ、月は電気を帯びた大気の層に覆われているという説を裏付ける結果が、9月4日付けの学術誌「Geophysical Research Letters」に発表された。しかもその層は、月が地球の後ろに隠れ、激しい太陽風から保護される満月の時期に強力になるようだ。

 つまり、夜空に浮かぶ明るい満月は、最も強く電気を帯びた姿ということになる。

 天体に大気がある場合、大気中の物質が真空の宇宙空間に接する上層部では、物質に強力な星の光や宇宙線がぶち当たる。すると、原子から電子がはぎ取られて、電気を帯びたガス(プラズマ)の薄い層ができる。これが電離層だ。

 月の重力は地球と比べてはるかに小さいが、それでも外気圏と呼ばれるごく薄い大気の層が存在する。放射性崩壊による月自体からのガス放出、流星塵や太陽風が月面に衝突して吹き上げられた原子、そして静電気によって空中を漂っているとされる月の塵などによって形成されたものだ。

 1970年代、旧ソ連の月面探査機ルナ19号と22号が月を周回し、月の上空にある荷電粒子の層にわずかに接触した。地球と同様に、希薄な月の外気圏も太陽光線と反応して電離層を形成しているようだった。

「月の電離層についてはまだわからないことが多く、論争があるのも確かです」。米アイオワ大学の実験宇宙物理学准教授で論文の筆頭著者であるジャスパー・ハレカス氏は言う。

 問題のひとつは、月の電離層があまりに弱く、太陽や地球から月に届くはるかに強力なプラズマの雲によって、その特徴が覆い隠されてしまうせいで、ほとんど検知できないということだ。

■地球の磁気圏のしっぽ

 そこでハレカス氏の研究チームは、NASAのアルテミス(ARTEMIS)計画に使われている2機の探査機を使って電離層の観測を試みた。

 探査機は現在月の近くを周回し、太陽が月に与える影響を調査しているが、そこに搭載されている機器は、月の薄い外気圏を観測できる。

 研究チームは、観測に最も適した満月を待つことにした。

 満月のとき、月は太陽から見て地球の反対側に位置し、地球から月の方向に尾のように伸びる磁気圏の中にすっぽりと入り込む。この磁気圏は、太陽から絶えず放出される高エネルギーの太陽風から月とそれを取り巻く弱い電離層を保護してくれる。

 この短い時間を狙って、アルテミスの探査機は太陽光が当たる月面の昼側から飛来するプラズマ波を計測し、これまでで最も詳しい月の電離層の姿をあぶりだした。その結果、月の電離層は地球の電離層の約100万分の1の薄さであることがわかった。

 薄いとはいえ、地球の裏側に隠れているとき、月のプラズマの密度は周辺よりかなり高くなっていた。このことから、月の電離層は地球の保護を受けているときにより強力になることがわかった。

 ハレカス氏は、この現象を「月の周りに泡立つ小さなプラズマの素」と説明する。

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引用元: ・【宇宙】月の大気の帯電を観測、満月にパワーアップ 「月に奇妙な電離層とは、とても魅力的」と研究者、最新研究[09/21]


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Source: 理系にゅーす