https://dot.asahi.com/articles/-/219562?page=1
2024/04/14/ 10:00
大谷百合絵
目次
2ページ目 ・キャンパスの空き地で野菜を栽培
3ページ目 ・「創造的な逸脱をやりたい」
4ページ目 ・「世の中が思っているほどいい子じゃない」
会の“常連”たち5、6人から1000円ずつカンパを募ってIHヒーターを購入し、無事に鍋パーティーを開催。帰り道、常連の一人は、「やっぱ咲きたてが一番甘い」と桜の花をむしゃむしゃ食べていた(写真:白川さん提供)
日本の受験エリートたちが集う東京大学に、「だめライフ愛好会」なる団体があるのをご存じだろうか。「だめ」をライフワークに――こんなモットーを掲げ、Xで日々発信を続けているのだが、投稿をさかのぼっても、活動内容は大学構内での大根栽培くらいしか確認できない。誰が、どんな目的で、何をしているのか。謎に包まれたその実態を探るべく主催者に取材を申し込むと、東大であえて「だめ」を追及する、意外な理由が見えてきた。
【写真】東大「だめライフ研究会」の“常連”たちはこちら
https://dot.asahi.com/articles/photo/219562?pid=f89c6cce01c4ce61348a8dd733e6d385668605
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取材の待ち合わせ場所として指定されたのは、東京大学駒場キャンパス内の、とある校舎裏。約束の時間を20分過ぎて、「東京大学だめライフ愛好会」を主催する、教養学部の白川さん(仮名、20代前半)が焦った様子でやってきた。
「すみません、この後ここで新歓の鍋パーティーを行うので、ブルーシートを取ってきます!」
そう言い残すと、さっそうと走り去っていった。
引き続き、待つこと10分。戻ってきた白川さんはいそいそとブルーシートを広げはじめたが、シートの一部がビショ濡れだったり、炭酸飲料のペットボトルを放り投げては一人慌てたりと、早くも“だめ”っぷりが垣間見える。
取材ということで校舎内で応じてもらえるのかと思いきや、そんな素振りはないので、記者もブルーシートの上にお邪魔して話を聞くことにした。
白川さんによると、会の歩みは、ざっくりと以下の通りだ。
昨年春ごろ、中央大学のだめライフ愛好会が、自動販売機の下に落ちている小銭を拾う活動をX上で報告していた。それに触発された白川さんは、仲間うちで東大キャンパス内の自販機を回って“小銭あさり”を決行。500円玉を落としても放っておく人がいる現実に驚きつつ、計1000円以上を回収した。
キャンパスの片隅に広がる大根畑。案内してくれた白川さんは、「トウが立ってきたから、そろそろ収穫しないといけないんですけど……」と、少しめんどくさそうにつぶやいた
キャンパスの空き地で野菜を栽培
それを機に、昨年5月に東京大学だめライフ愛好会を結成。「学費の元を取るためにキャンパスを有効活用する」というもくろみもあり、面白そうなことを片っ端から始めてみた。
最初に挑んだのは、空き地でのさつまいも栽培だ。無事に収穫し、焼き芋パーティーにこぎつけたものの、畑ができて半年ほどたったある日、「当局」(白川さん)こと大学の学生支援課によって畑の周りにコーン標識が設置され、締め出された。今や、畑は厳重なフェンスで囲われ、「耕作禁止」の張り紙もされているが、白川さんたちは抜け道を作り、懲りずに大根を育てている。
食料生産としては、「外来種だらけの駒場池でザリガニ釣り」企画も功を奏した。講義をサボって約1週間釣り続け、2千~3千匹ほどを確保。ザリガニの味は「エビやカニからうま味を抜いた感じ」だが、にんにくじょうゆで炒めたり紹興酒で蒸したりと、味つけ次第では伸びしろがあるという。一部はコンポストに入れて肥料にし、さつまいも畑にまいてみたが、とにかく臭いがひどく、これは失敗に終わった。
東京大学だめライフ愛好会に、正式なメンバーは存在しない。いるのは“常連”だけだ。「組織化はめんどくさい」「誰でも気軽に関われる会にしたい」という理由から、“主催さん”と呼ばれている白川さんがイベントの告知をし、その時々で集まりたい人が集まるスタイルをとっている。
ここで、世の大人たちが疑問に思うであろうことを聞いてみた。東大という日本最高峰の大学に合格する頭脳がありながら、なぜ「だめ」をライフワークに活動しているのか。白川さんに尋ねると、「コロナ禍がトリガーの一つになりました」と返ってきた。
(略)
※全文はソースで。
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Source: 理系にゅーす