1: 2018/09/15(土) 13:30:25.64 ID:CAP_USER
■生殖への影響や発がん性も懸念されるフタル酸エステル、米国

 米フロリダ州サラソタ湾のハンドウイルカ(Tursiops truncatus)たちは、人懐っこく、好奇心旺盛なことで知られ、観光の目玉となっている。だが最新の研究によれば、イルカたちの体内に人間が作り出した化学物質が蓄積していることがわかり、健康に被害が及んでいるかもしれないという。

 9月5日付けの学術誌「GeoHealth」に発表された論文によると、プラスチックや化粧品、ペンキなどの身近な製品に添加されているフタル酸エステルという種類の化学物質が、ハンドウイルカの体内からみつかった。

 2016年から2017年にかけて、米チャールストン大学と米シカゴ動物学協会の研究者たちは、サラソタ湾にいた17頭のイルカから尿のサンプルを集めた。尿からは、イルカが摂取してから3カ月ないし6カ月経った後も体内に残っている化学物質を抽出できた。

 野生のイルカからフタル酸エステルが発見されたのは初めてだ。サラソタ湾のイルカたちは40年以上にわたって研究が続けられており、研究者たちにとってはおなじみの顔ぶれである。

「フタル酸エステルにさらされ、ばく露していること自体には驚きませんでしたが、驚いたのは検出された量でした」と、論文の筆頭著者であるレスリー・ハート氏は言う。

 調べたイルカのうち、12頭から少なくとも1種類のフタル酸エステルがみつかった。

 ハート氏によると、尿を調査したのは今回が初めてなので、どのくらいの量が通常の範囲内とされるべきなのかはまだわからない。だがイルカの中には、人の体と同程度の量のフタル酸エステルがみつかったものもいるという。人間のほうがプラスチックや化粧品等、フタル酸エステルを含む製品に多く接触しているはずなので、これは驚くべきことだ。

■イルカの健康への影響は

 今回の研究によって、どういった化学物質がイルカの体内に残るのかはある程度わかった。だが、イルカがどのようにしてフタル酸エステルに接触するに至るのか、そして彼らの健康にどういった影響があるのか、という新たな疑問が浮かびあがった。

 フタル酸エステルはプラスチックやビニールをより軟らかくするために使われるもので、世界中の消費者向けの製品に含まれている。1998年以前には乳児用のおしゃぶりなどにも使われていたが、現在では使用が禁止されている玩具もある。米国国立医学図書館によれば、フタル酸エステルは水、土、そして空気中からも発見されているものの、健康への影響についてはあまりよくわかっていない。

 イルカは食物連鎖の上の方に位置し、寿命が長く、また市街地の沿岸を泳ぐことが多いため、「生態系の指標に適しています」と、米サバンナ州立大学のイルカ研究者、タラ・コックス氏は述べる。なお、同氏は今回の調査には関わっていない。

「環境中で今、何が起こっていて、何が人間に影響しるのか、彼らを通して知ることができるのです」とコックス氏は言う。

 あるフタル酸エステル化合物の研究によると、ラットを長期間、特定のフタル酸エステルにばく露しておくと、肝臓がんが発生し、生殖にも問題が生じる。

 ハート氏の研究は、フタル酸エステルが健康に及ぼす影響と、フタル酸エステルが環境中でどうやって広まるのかを調べるプロジェクトの一部だ。プロジェクトはいまも進行中で、同氏はさらに、大学生を被験者として、フタル酸エステルへのばく露リスクを高める行動についても研究してきた。

 実験では、シャンプーやせっけん等、フタル酸エステルを含む製品を使わないようにしてもらうと、体内のフタル酸エステルの量が減少したケースもあった。

 フタル酸エステルの危険性についてはまだまだわからないことが多いものの、最大の発生源がわかれば、フタル酸エステルへのばく露量や健康被害を減らせるはずだとハート氏は考えている。

 同氏が言うには、フタル酸エステルは「環境中に流れ出していっている」ため、根本的にはこれを含む製品の消費を減らしていかなければならない。

続きはソースで

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引用元: ・【動物/環境】イルカに化学物質が蓄積、プラスチック添加剤[09/12]


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Source: 理系にゅーす