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1: 2022/05/15(日) 10:44:42.58
現代ビジネス 5/15(日) 8:02

最高裁判所にまで及んだ論争
 これからの季節に旬を迎える食材といえばトマトだ。食卓に並ぶ様子を見て、夏の訪れを感じるという人も多いだろう。

 野菜売り場に並べられていることから、日本では「トマトは野菜」という扱いが定着している。しかし、海外では必ずしもそうではない。

 アメリカではサラダなどにも使われる一方で、イチゴの代わりにケーキに飾られ、果物として扱われることがある。お隣の韓国でもデザートとして砂糖をかけた輪切りトマトが食されている。つまり、野菜なのか果物なのか国ごとに曖昧な扱いを受けているのだ。

 ちなみに植物学の立場から見ると、野に生えて葉・茎・根などを食用とする植物が野菜、木になる果実が果物と分類されるため、正式にはトマトは果物ということになる。

 実は、過去にはトマトに対する曖昧な分類の仕方が、裁判沙汰になってしまった例もある。時計の針を19世紀に戻そう。

 1893年、当時のアメリカの法律では、輸入品の野菜には関税がかかっていたが、果物にはかからなかった。そのため、輸入業者はトマトを果物として輸入していた。

 これに目を付けたのが農務省の役人たちだ。トマトは当時、サラダなど主に食事として食卓に並んでいた。よってトマトは野菜として扱い、課税の対象にするとのお達しを出したのである。

 だが、少しでも税をかけられる品物を増やそうという判断に当時の輸入業者たちは大激怒し、これを取り下げるよう求めた。両者がそれぞれの主張を頑なに譲らなかったため、トマト論争はついに裁判へと発展してしまったのだ。

 数年にわたり繰り広げられた裁判は、なんと最高裁判所にまで及んだ。そこで「トマトは野菜」という判決が出され、論争は終結した。判決文には「トマトは食事中には出されるが、デザートには出されない」と記されていたという。

 当時のアメリカで、野菜ではなく果物に関税がかかっていたら、トマトは植物学通りに、晴れて果物として扱われていたかもしれない。(富)

 『週刊現代』2022年5月14・21日号より

週刊現代(講談社)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/ca13cfce0da6bd17024817fdd0e887d28699e7b1&preview=auto


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Source: 理系にゅーす