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1: 2021/11/18(木) 12:36:48.44 _USER9
■世界歴代2位と3位

 30年以上も破られていない女子100メートルの世界記録(10秒49)が、ついに塗り替えられるか。世界の陸上界は今、2人のジャマイカ人スプリンターに注目している。今年、世界歴代2位の10秒54をマークしたエレーン・トンプソンヘラ(29)と、同3位の10秒60を出したシェリーアン・フレーザープライス(34)。来年はいよいよ、世界の女子スプリント界で時計の針が動きだすかもしれない。(時事通信ロンドン特派員 青木貴紀)

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 10秒49は、フローレンス・グリフィス・ジョイナー(米国=故人)が1988年に全米選手権で記録した。長い髪をなびかせ、長く伸ばした爪には色鮮やかなマニキュア。圧倒的な速さと個性的なスタイルで強烈な印象を残した。同年のソウル五輪で400メートルリレーを含む短距離3冠を獲得し、29歳で引退。同五輪で樹立した200メートルの21秒34も今なお世界記録として残る。

 90年代以降、昨年までに10秒5台か、それより速いタイムで走った選手はいない。10秒6台でさえマリオン・ジョーンズとカーメリタ・ジーター(ともに米国)の2人だけ。ジョイナーに迫る選手は現れず、永遠に破られない「不滅」の世界記録と言われてきた。

■トンプソンヘラ「世界記録を意識して」

 そんなムードが、今年になって一変。突如として記録更新への期待が高まった。トンプソンヘラは東京五輪の100メートルと200メートルで2大会連続の2冠。100メートルは向かい風0.6メートルの恵まれない条件下で10秒61を出し、ジョイナーがソウル五輪で出した五輪記録を0秒01短縮した。

 五輪後初戦となった8月のダイヤモンドリーグ(DL、米オレゴン州ユージン)では10秒54と世界記録に0秒05まで肉薄。今年は10秒6台を3度もマークし、確かな実力を印象付けた。DL公式サイトによると、9月のDL今季最終戦後、「今年は浮き沈みの激しい長いシーズンだった。でも、来年は世界記録を必ず意識していきたい」と宣言。射程圏に捉えている。

■「今がピーク」のフレーザープライス

 08年北京、12年ロンドン両五輪覇者のフレーザープライスは、17年に息子を出産後も進化を続ける。東京五輪は10秒74で銀メダルを獲得。8月のDL(スイス・ローザンヌ)では1.7メートルの追い風に乗って10秒60で制し、トンプソンヘラを破ってみせた。母として、わが子の応援は大きな原動力となっているようだ。

 10月に英スカイスポーツのインタビューに応じ、「私は今、キャリアのピークを迎えている。以前はパリ五輪は無理だと思っていたが、今季を終え、進歩したことで、もっといけると思えるようになった」。来年の世界選手権(米オレゴン州ユージン)での2連覇や24年パリ五輪への意欲を示した上で、こう言った。「10秒50は絶対に可能だと思う」

 世界選手権の会場となる「ヘイワード・フィールド」は、トンプソンヘラが10秒54をマークした競技場。今年6月には東京五輪の米国代表選考会が行われ、女子400メートル障害でシドニー・マクラフリンが世界新記録(当時)の51秒90で優勝した。米国陸上の聖地とも言われ、好記録への期待が高まる。長く閉ざされた歴史の扉は開くのか―。女子100メートルから目が離せなくなりそうだ。

JIJI(2021年11月16日掲載)
https://www.jiji.com/jc/v4?id=202111Jamaicatf1000001


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Source: 理系にゅーす