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1: 2021/09/21(火) 18:03:46.03
ケンブリッジ大学のSunny Vagnozziさんをはじめとした研究グループは、ダークマター(暗黒物質)の検出を目的としてイタリアのグランサッソ研究所で2016年から2018年にかけて実施された「XENON1T」実験において、ダークマターではなくダークエネルギー(暗黒エネルギー)が検出されていた可能性を示した研究成果を発表しました。

今回の成果はダークマターの検出を目的とした実験がダークエネルギーの検出にも利用できることを示唆しており、研究グループは今後計画されている実験でダークエネルギーが直接検出される可能性を指摘しています。

■ダークマター検出器「XENON1T」で捉えられた超過事象

宇宙に存在する物質とエネルギーのうち、約27パーセントはダークマター、約68パーセントはダークエネルギーが占めると考えられています。私たちの身体をはじめ、生物や惑星、太陽などの恒星、恒星が集まってできた銀河といった存在を作り上げている通常の物質(バリオン)は、わずか5パーセント程度を占めるにすぎないと言われています。

ダークマターと通常の物質は重力を介してのみ相互作用するため、光(電磁波)を使って直接検出することはできず、ダークマターの正体は今も謎のままです。そのため、銀河や銀河団といった大きなスケールでは銀河の回転速度や重力レンズ効果(光源となる天体を発した光の進む向きが別の天体やダークマターの重力によって曲がる現象)の観測を通して、間接的にダークマターの存在や分布が推定されています。

冒頭で触れたXENON1Tは、銀河よりもはるかに小さなスケールである地上の実験施設においてダークマターの候補となる素粒子の直接検出を目指し、日米欧を中心とした国際共同実験グループ「XENONコラボレーション」によって実施された実験です。検出器には摂氏約マイナス100度に冷却された液体キセノンが3.2トン使用され、その一部がダークマター検出に利用されました。キセノン原子はダークマターと相互作用する際に非常に弱い光や電子の信号を発するといい、この信号を捉えることでダークマターの検出を試みたのです。

実際にはダークマターとキセノンの相互作用が起こることは稀で、検出される事象の大半は検出器に含まれる放射性物質に由来する背景事象だといいます。ところが2020年6月、XENON1Tで予想外の過剰な電子散乱事象が観測されていたことが発表されました。実験に参加した東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)によると、予想された背景事象は232個だったのに対し、実験で得られたデータにはこれを53個上回る超過事象が含まれていたといいます。(以下省略)
※以下の部分はソース元にてご確認ください。

ソース/sorare
https://sorae.info/astronomy/20210920-xenon1t.html


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Source: 理系にゅーす