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1: 2021/07/28(水) 07:13:20.21 _USER9
CNN2021.07.28 Wed posted at 06:46 JST
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35174409.html

(CNN) 東京オリンピック(五輪)の自転車女子個人ロードレースが始まる前、アナ・キーゼンホファー選手(オーストリア)について話している人は誰もいなかった。だが、今は違う。

当初、キーゼンホファー選手はライバルに比べ経験不足とみられていた。特に今回のレースには、前回王者のアナ・ファンデルブレーヘン、元五輪銅メダリストのエリーザ・ロンゴボルギーニ、英国のリジー・ダイグナン、ドイツのリサ・ブレナウアー、元世界王者のアネミック・ファンフリューテンといった選手が名を連ねていた。

だが、2017年にプロ転向を果たしたばかりのキーゼンホファー選手が世界クラスの面々に気後れすることはなかった。厳しい高温多湿と戦いながら147キロのコースを疾走し、オーストリア人として1896年以来初めて自転車競技の金メダルを手にした。

キーゼンホファー選手はCNNの取材に、「極限的な戦いだった」「これほど空っぽになるまで力を出し尽くしたことは私の人生でなかった」と振り返る。

「信じられなかった」

たとえ他の人から、25日の走者の中で数合わせ的な存在と思われようとも、キーゼンホファー選手自身にそんなつもりはなかった。

「勝てるかもしれないという小さな希望、小さな思いはいつも持っていた。私がスタートラインに立てば、それは準備ができていること、勝つ意欲があることを意味する。ただ、現実的に考えて自分が優勝候補でないことも分かっていた」

キーゼンホファー選手は序盤から先頭集団の一員としてレースを進めていたものの、番狂わせの気配になったのは最終ストレッチに入ってから。最後の40キロで金メダルへのスパートをかけ、独走状態となった。

終わってみれば、重い期待を背負わずレースに臨んだことが奏功して、キーゼンホファー選手は終始冷静さを保ち、4時間を切るタイムでフィニッシュ。銀メダルを獲得したファンフリューテン選手に75秒の差をつけた。

金メダルを獲得したことに気付くと、キーゼンホファー選手は両腕を宙に突き上げ、その後よろめきながらチームの元に向かった。信じられない様子で喜びの涙を流していた。

「現実とは思えなかった。こんな結果になると言っても誰も信じなかっただろうから。ただただ信じられなかった。ゴールラインを越えてもまだ信じられない思いだった」

家族の支援

終盤で独走状態になってからは、愛する家族の思い出がモチベーションになった。家族はオーストリアでレースの生配信を見守り、キーゼンホファー選手と一緒にレースのあらゆる瞬間を体験した。

「家族が見ていることは分かっていたから、彼らのことを思い浮かべた。家族や過去のコーチ、私のモチベーションになってくれた友人のことを考えていた」

家族は「自転車にはあまり熱心ではない」ものの、とにかく自分に幸せになってほしいと考えていると、キーゼンホファー選手は語る。たとえそれが、前評判を覆して五輪王者になるために闘うことを意味するとしてもだ。

心理的な強み

優秀な研究者から五輪金メダリストになったキーゼンホファー選手は、常に自分の考えを持って歩んできた。

2017年以降はプロの自転車チームに所属していない。これは自分の意思で下した決断だ。

キーゼンホファー選手は過去のコーチから学んだことは認めつつ、基本的には「コーチの教えを受けるのは性に合わなかった」「私は独立しているのが好き。練習の計画やレースなど、自分のことは自分で決めたい。独りで闘うのが私のアプローチ」と語る。

物理的なサポートが欠けている分は、知的能力を活用することで補っている。

英ケンブリッジ大で数学の修士号、スペインのカタルーニャ工科大学で応用数学の博士号を取得したキーゼンホファー選手は、練習や栄養摂取、レースの戦略について綿密に計画を練る。

「数学者として自力で問題を解くことには慣れているので、自転車競技にもそうやって取り組んでいる」

(リンク先に動画あり)


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Source: 理系にゅーす