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1: 2021/07/09(金) 18:59:25.95
日沖博道 パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

緊急事態宣言と解除、感染者数の縮小と再拡大を繰り返すニッポン。この悪夢を断つ切り札はやはりワクチンだと期待されている。
しかしそれにも大きなハードルが待っている。若い世代ほどワクチン接種に消極的なのだ。

例えば筑波大学が2021年4月に20~40代を中心に行った新型コロナ用ワクチンの接種希望についての調査では、
「絶対」または「多分」接種するとしたのは4割強に過ぎず、「周りの様子を見てから判断」が一番多くて38.4%、
「多分」「絶対」接種しないと答えた人が19%にも上っている。

他にも幾つかのアンケート調査が実施されており、実施タイミングと質問の仕方でそれぞれ結果の数値は異なるが、
「若い世代ほどワクチン接種に消極的」という傾向は一致しているようだ。それはなぜなのだろう。

どうやら2大理由は「副反応」と「ワクチンの安全性/効果」のようだ。ではその理由は客観的に妥当なものなのだろうか。

「副反応が心配/怖い」というのは分からないでもない。稀だがアナフィラキシーショック症状が生じることがある。
しかしその確率は極端に低く、ファイザー社製ワクチンの場合で(疑い事例を含めても)23,245,041回接種中1,407件、すなわち0.006%だ。

モデルナ社製ワクチンでも440,278回接種中4件しかない、すなわち0.0009%だ(いずれも厚労省ホームページより)。
過去に何らかのアナフィラキシーショックを経験した人はともかく、そうでない人が心配する数字ではない(それより交通事故に遭う確率のほうが2~3桁高い)。

それ以外の副反応についてはどうか。ワクチン接種の報道にはほぼ毎度「〇〇人に発熱などの副反応が出た」などと付け加わっていたので、
まるで今回のワクチンの副反応に関しては相当深刻なもののように映る。

しかし具体的な副反応の内容を調べると「だるくなる」 「熱が出る」 「注射した部分に痛み」などの様々な症状が挙げられているが、
いずれも深刻なものではなく、しかも大抵翌日には治っている。

一方、この程度の副反応を恐れてワクチンを打たずに万一感染した場合にはこんな生易しいものでは済まない。

若者は症状が軽いとか無症状であると信じている人が未だに多いが、日本でも流行し始めたインド株にかかれば、
若者も結構発症するし重症化もする。実際、英国での急激な感染の再拡大はまさに若者が「流行の中心」だそうだ。

さて、残りの理由の大半は「面倒」だとか「注射が嫌い」 「体内に異物を入れたくない」という理由を主なものとして挙げているが、
基本的に「自分は感染しないと思う」または「感染しても自分は軽く済むと思う」という根拠のない妙な自信がその根本にあっての話のようだ。

しかし若者が軽症で済むことが多いというのはあくまで確率論に過ぎず、個人差が大きい。
しかも実際に症状が出てしまえば年齢に関係なく、軽症や無症状であっても後遺症が長期間続く可能性があることも分かっている。

そうしたリスクも考えれば、ワクチンを打って安心できるほうがずっと賢明だ。

なぜ「自分は感染しないと思う」のかを語っている若い人の動画を観たが、その根拠は「今まで感染していないから」というズッコケるようなものだった。
単に運がよかっただけなのに、これからもその強運がずっと続くと信じているその無邪気さには「おめでたい」としか言えない。

ここまで見てきて分かったように、ワクチン接種に消極的な人たちの理由のほとんどは根拠が薄弱、またはまったく不合理なものだ
(もちろん、体質的な問題等で医師から非推奨とされている場合は別だ)。

科学的に裏付けされた情報や合理的な見方に基づいたものではなく、単なる思い込みや偏った情報に迷わされているだけなのだ。
https://www.insightnow.jp/article/11250


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Source: 理系にゅーす