China
1: 2021/04/27(火) 15:34:24.04
PC Watch(2021年4月27日 13:56)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1321531.html

 中国科学技術大学は25日(現地時間)、コヒーレント光を1時間保存することに成功したとし、「量子USBメモリの実現に向け重要な一歩を踏み出した」と発表した。

 光は時速30万kmを達成できるため、今や通信分野で重要な役割を担っているが、光(光子)を減速させ、止まらせて保存することは実現できていない。光を保存できれば、低損失で量子を中継して大規模量子ネットワークを構築できるため、今後量子通信技術を確立する上で極めて重要だという。

 アメリカのハーバード大学では1999年にも冷却原子の気体で光の速度を17m/sに低減させることに成功し、2013年にはドイツのダルムシュタット工科大学がフッ化プラセオジム珪酸イットリウムの結晶を用いて光を1分間停止させることに成功させていた。

 また、2015年にはオーストラリア国立大学のチームが、ゼーマン効果が0の磁場(ZEFOZ)において、ユウロピウム-珪酸イットリウム化合物が6時間のスピンコヒーレンスを持つことを観測し、光の保存に希望を見出したが、この化合物のエネルギーレベルの構造が解析できず、光の長時間保存を実現できなかった。

 今回研究チームでは、この化合物のエネルギーレベルの構造の解析を進めるとともに、原子周波数コム(AFC)による量子記録方式とZEFOZを組み合わせ、光子の長時間保持を実現。光信号はまずAFCに吸収され、ユウロピウムイオンの光励起となり、その後スピン励起に変化。スピンパルス操作を経て、最終的に光信号として読み出すことに成功した。

 研究チームでは今後、保存効率とS/N比の改善により、量子USBメモリを実現させる技術を確立。従来の移動手段で量子データ転送を実現させるとしている。


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Source: 理系にゅーす