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1: 2022/04/30(土) 16:32:45.35 _USER9
 日本の総人口減少とともに、スポーツ界も各競技で人口減少が嘆かれている。柔道界でも同様だ。特に未来を担う小学生は17年間で約46%減少。五輪で数々の栄光を掴み、日本を沸かせてきた国技が転換期を迎えている。2016年リオ五輪男子100キロ級銅メダリスト・羽賀龍之介(旭化成)は、競技の普及、育成に尽力している現役選手の一人だ。「THE ANSWER」が全3回にわたってお送りする単独インタビューの第2回。危機感や課題、普及に必要なことなどを聞いた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 日本の国技が課題に直面している。全日本柔道連盟は、個人登録会員数の推移を公式サイトに掲載。2004年から21年までの過去17年間、男女各カテゴリーの合計人数は20万2025人から12万2184人に減少した。社会人に限れば2万530人から2万2396人に増加したが、大学生以下は軒並み減少傾向。特に小学生は4万7512人から2万5636人の約46%減と顕著だった。

「やっぱり数字を見ると、悲しさを感じるのが第一です。凄く残念なこと。でも、原因があると思います。その原因を僕たちが現役選手の立場でどう噛み砕いて、協力できるかを考えなきゃいけない。興味関心が減っているわけだから、選手としては応援してくれる人も減るわけじゃないですか。そんな寂しいことはない」

 羽賀は危機感を滲ませ、憂いていた。

 子どもへの行き過ぎた勝利至上主義が問題になった昨今。「(トップの)選手は試合で勝つのが一番の目的」としつつ、「それに加えて『柔道家が畳の上で勝つこと以外の価値』みたいなものを感じられる瞬間がもっとないといけない」と強調する。若い時にはこの大切さを感じられなかったが、25歳で銅メダルを獲得した16年リオ五輪頃からいろいろな世界を知り、競技普及について深く考えるようになった。

 一つは、フェンシングで五輪2大会連続銀メダルの太田雄貴氏の話を聞いたことがきっかけ。同氏は現役時代から競技の普及、育成に尽力し、大会でもファンを盛り上げる施策をいくつも講じてきた。刺激を受けた羽賀は「現役選手は興味関心をあまり持っていないなと思った。もう少しそこの意識は必要」と現状を見つめ直した。

「テレビに出たらその選手の認知度が上がるけど、普及に繋がっているかというとそうじゃないのかなって。太田先輩の話で共感したのは『競技をやっていると、こんなことがあるよという部分を、もっともっと伝えていく必要がある』と言っていたこと。それはオリンピアンとか、ある程度の影響力がないとできない。そういう選手たちが積極的にやるべきだと思います」

 柔道をやって得られる価値、メリットとは。全日本選手権に5度出場した父・善夫さんのもと、5歳で競技を始めた頃から厳しく指導されたものだった。

「やっぱり礼儀や柔道の精神と言われるもの。互いが礼をして組み合うのは、柔道ならではだと思います。相手を投げるということは、投げられる人がいる。相手を敬うことにも繋がります。柔道には教育的な要素が凄く詰まっている。競技的な側面以外にある、柔道のもう一つの理念は人間形成。柔道家として社会にどう貢献していくかという点もあります」

 実力も、人間的な部分でも研ぎ澄まされていると感じるのは、五輪連覇した大野将平だ。同じ旭化成所属で同学年。東京五輪では勝っても表情を崩さず、静かに畳を下りた。「彼はさすがだなと思う。誰しもガッツポーズをして喜びたいところで凛としていて凄い。柔道家としてあるべき姿を理解して、体現しようとしてる。そこをもっと多くの人に感じてもらえたらいいですよね」と願う。

続きはソースで
https://the-ans.jp/coaching/train-up/238083/


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Source: 理系にゅーす