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人の代謝は60歳までは安定しているという研究結果
中年になってぽっこりと膨らんだお腹を見て、「いやー、もう歳だから。代謝が落ちちゃってさ~」という言い訳はできなくなるかもしれない。
代謝は、生物体がエネルギーなどを外部から取り込み、体内で化学的に変化させ、不用なものを消費する反応のことだが、年を取ると代謝が落ち、肥満や便秘の原因になると言われていた。
だが『Science』(21年8月13日付)に掲載された最新の研究によると、20歳から60歳まで人体の代謝率はほとんど変わらないと報告しているのだ。
若い頃はスリムでも、年齢を重ねると太るというのは代謝のせいではなさそうだ。
代謝には普段の生活エネルギーも含まれている
この研究を行ったアメリカ、デューク大学のハーマン・ポンツァー氏は、「人は太った原因を代謝の低下のせいにしがちですが、それは違うようです。人口レベルの広い視点から見れば、代謝は成人してからも安定しています」とコメントする。
これまでの人体の代謝(エネルギー消費)に関する研究は、呼吸・消化・血液の循環といった生命維持機能のために消費されるエネルギーに焦点を当ててきた。しかしポンツァー氏らによると、それは1日に消費されるカロリーの5~7割程度でしかないのだという。
そうした研究では、学校や職場での作業、日頃の家事、あるいはただソワソワするだけといった、体を動かすために使われるもろもろのエネルギーを考慮してこなかった。
また大人になって体が大きくなれば、それだけ細胞が増えることになる。その分エネルギーの消費量も増えるが、これも無視されてきた。
エネルギー消費量のピークは1歳
そこでそうした無視されてきたエネルギー消費も調べるために、今回の研究では「二重標識水法」という検査が行われている。
これは、飲んだ水に含まれる「重水素」と「酸素同位体」の変化を尿検査で調べ、そこからエネルギー消費量を算出するやり方だ。
世界29か国の6600名(生後8日から95歳)を対象に、年齢に応じた人体のエネルギー消費量を調べたところ、一生のうちでもっとも大量にエネルギーが消費されているのは1歳のときだったという。
なんと生まれたばかりの新生児でもすでに大人並みのエネルギーを消費している。それが1年後には3倍にも増加する。体の大きさから想定されるエネルギー消費量より、50%も多いのだ。
その時期の子供がグングン成長していることを考えれば納得だろう。乳児の脳では新しい結合が活発に作られ、免疫系も発達する。ポンツァー氏によれば、ただ新しい細胞が増えるだけでなく、細胞の活動の仕方が大人とは違うのだという。
20歳から60歳まで代謝は安定している、男女差なし
小児科や高齢者医療の見直し
中年になって太ってしまうのは生活習慣のせい
===== 後略 =====
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Source: 理系にゅーす