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1: 2021/05/24(月) 20:33:13.33
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ead7b2c8324b43a030961ea2683a4303082c429
スーティク・ビスワス、インド特派員
インドで感染が急拡大している、致死率の高い真菌感染症「ムコール症」の感染者が8800人を超えた。
「黒い真菌」とも呼ばれるムコール症は、通常はまれにしか確認されない。致死率は50%と高く、眼球を摘出しないと助からない場合もある。

インドではここ数カ月、新型コロナウイルスから回復した人や回復中の人に、数千人の感染者が見つかっている。
医師たちは、新型ウイルス治療に使用されているステロイド剤と関連があるとみている。また、糖尿病患者は特に感染リスクが高いという。
新型ウイルス感染症COVID-19から回復して12~18日後にムコール症を発症するようだと、医師たちはBBCに説明している。

■病床はすぐいっぱいに
感染者の半数以上は、西部グジャラート州とマハラシュトラ州で確認されている。他の15以上の州でも、8~900人の感染が報告されている。
感染者の増加を受け、29州がエピデミック(感染流行)を宣言するようインド保健省から指示されている。
ムコール症患者専用の治療病棟が国内各地で新設されているが、医師らによると、ベッドは患者らで急速に埋まっているという。
中部インドール市の公立マハラジャ・ヤシュワントラオ病院(1100床)では、ムコール症の患者が22日夕の時点で185人だった。1週間前の8人から急増した。

同病院医局トップのVP・パンディ医師は、患者の8割以上が緊急手術を必要としているとBBCに話した。
パンディ医師によると、同病院ではムコール症患者専用の病棟を11棟(計200床)設置した。
「患者がこれほど急増するとはまったく想定外だった」、「以前は年に1、2人の感染者を確認するだけだった」。
同医師は、インドール市だけでムコール症の患者は400人以上に上っていると説明した。

「いまやCOVID-19より黒い真菌(ムコール症)のほうが問題だ。患者は適切なタイミングと方法で治療を受けなければ、致死率が94%まで上がることもあり得る。
治療費は高額で、薬も不足している」

医師らによると、ムコール症患者は診断後に最長で8週間、治療薬「アムホテリシンB」(アムホB)を毎日、静脈注射する必要がある。
パンディ医師は、インドール市内の4病院の患者201人について、データを集めた。
その結果、患者の大半はCOVID-19から回復した人で、男性だった。
その多くがステロイドによる治療を受けていたほか、全員に主に糖尿病などの基礎疾患があった。

インドの医師4人による別の調査は、ムコール症に感染したCOVID-19患者100人超について調べた。
対象となった患者の79人は男性で、83人が糖尿病も患っていたという。

ムンバイの2病院のムコール症患者45人に関する別の調査では、全員が糖尿病だと判明した。また、血糖値が急上昇していたという。
「ムコール症患者で、血糖値が正常な人は皆無だった」と、数多くの患者の治療に当たってきた眼科医アクシェイ・ナイール氏はBBCに話した。

■ムコール症とは
ムコール症は極めてまれな真菌感染症で、土や植物、肥料、腐った果物や野菜によくみられる真菌に感染することで発症する。
ムンバイのナイール医師は、「ムコール真菌は至るところに存在している。土壌や空気中、健康な人の鼻の中や粘液にも存在する」と説明した。

感染すると、鼻の後ろにある洞や脳、肺などに影響を及ぼす。
糖尿病患者やがん患者、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者、エイズ(後天性免疫不全症候群)患者など、重度の免疫不全患者の場合は命にかかわることもある。


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Source: 理系にゅーす