1: 2019/04/18(木) 16:37:08.76 ID:CAP_USER
米イェール大学の研究チームが、死後4時間たったブタの脳を一部再生させたと発表した。

この発表によって、生と死の境をめぐる議論が白熱する可能性がある。また、アルツハイマーなどの病気の研究に新たな道が開けるかもしれないという。

研究では、脳細胞の死を停止させ、神経の接続を部分的に回復することができることが明らかになった。

その一方、脳の中でも覚醒や意識に関わる部位では回復の兆候はみられなかった。

これまで脳は、血液循環が途絶えると数分で不可逆の機能低下に陥るとされていたが、今回の予想外の研究結果はこの説に異論を突きつけた格好だ。

■どのような実験だったのか

研究では、食肉処理場から32頭分のブタの脳を採取し、死後4時間後に研究チームが製作した機器に接続した。

この機器を使い、酸素や脳細胞の死を遅延・逆行させる薬剤を脳に送り込むため、合成血液を含んだ特別な液体を、脈動に似せたリズムで脳に送り込んだ。

脳再生のためのこの調合薬は6時間にわたり、ブタの脳に供給された。

■実験結果は?

英学術誌ネイチャーに発表された研究によると、実験では脳細胞の死が減少し、血管と一部の脳機能が回復した。

脳細胞間で情報伝達を行うシナプスのはたらきを確認したほか、生きている脳と同じような薬物への反応や、酸素の消費が確認されたという。

こうした動きは、ブタが死亡してから10時間後に起こった。

しかし脳波スキャンでは、意識や知覚を示す脳全体の電気活動は観測されなかった。

根本的には、ブタの脳は死んだままだったということになる。

■実験で分かったこと

この研究は、脳は酸素の供給が途絶えるとすぐに死に、元に戻らないという説を覆している。

イェール大学のネナド・セスタン神経科学教授は、「脳細胞の死は、これまで私たちが思っていたよりも長い時間をかけて起こっている」と説明した。

「細胞の死は漸進的な、段階的なプロセスで起こるということが示された。また、そのプロセスの一部を延期したり、停止させたり、逆行させられることも分かった」

■倫理的にはどうなのか

実験に使われたブタはこの研究のために飼育された個体ではなく、脳は食肉処理場から入手した。

しかし研究チームは、肉体から切り離された脳が意識を取り戻すことを懸念し、脳のはたらきを抑える薬を投与していた。

また、実験中も脳が一定以上のはたらきを取り戻したかどうかを観察していた。もしそうなった場合は麻酔を投与し、実験を終了する計画だったという。

ネイチャーに寄稿した倫理学者は、研究に使われた動物が「生きてはいないが完全に死んでもいないグレーゾーン」に陥る可能性があるため、こうした研究領域には新しいガイドラインが必要になると指摘した。

■今後の医療に貢献も

この実験結果は第一に、アルツハイマーなどの病気に侵された脳の研究に役立つという。

脳は知られる限り宇宙で最も複雑な構造をもつが、スライス標本や脳細胞の培養といった手法では立体的な脳の伝達系統を探ることは難しかった。

また長期的には、脳卒中や出生時の酸素欠乏などで損傷した脳を守る方法が見つかるのではと期待されている。

米国立精神衛生研究所で脳を研究するアンドレア・ベッケル=ミッチナー博士は、「こうした研究は、死後の脳の研究に全く新しい道を開くかもしれない」と話した。

「脳への血流が途絶えた後に脳機能を回復させる手法の開発も、促進するかもしれない」

しかし研究チームは、この領域の研究はなお初期段階で、脳に損傷を負った患者へのメリットを期待できる段階ではないとしている。

セスタン教授は、「正常な脳機能の回復が可能か、まだ分かっていない」と話した。

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引用元: ・【医学】死後4時間たったブタの脳、合成血液を含んだ特別な液体一部再生に成功=米研究[04/18]


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Source: 理系にゅーす