1: 2018/06/21(木) 22:51:53.72 ID:CAP_USER
地球が過去100万年ほどの間に、寒い「氷期」と暖かい「間氷期」を繰り返し経験したことをご存知の方は多いだろう(よく「氷河期」というが、地球の一部に氷河がある「氷河時代」の意味との混同を避けるため、ここでは「氷期」という。
氷河時代は氷期と間氷期を含む)。

 氷期は原始人がマンモスを狩っていたイメージだろうか。そして間氷期が来て農耕が始まり、現在に至る。
しかし、いつか次の氷期が訪れるはずである。

 一般の方と地球温暖化の話をしていると、「次の氷期が来れば温暖化でなく寒冷化するのではないですか」
「氷期が来ると困るので温暖化させたほうがよいのではないですか」という声を聞くことがある。

 先日、講演でこの点を含めて解説した内容を弊研究所のニュースレターに採録し、SNSで発信したところ、予想以上に反応があった。これをきっかけに、気になっていた論文を読んで理解を深めたので、改めて解説を試みたい。

■現在、氷期が来ていてもおかしくなかった

 ドイツのポツダム気候影響研究所のGanopolski博士らは、2016年にNatureに発表した論文で、地球が氷期に突入する条件をかなり明確に提示している。

 これによれば、タイミングからいうと、現在、氷期が始まっていてもおかしくなかった。
しかし、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度がわずか40ppmほど高かったおかげで、氷期の開始はぎりぎり回避されたということになる。

 そもそも、氷期・間氷期の開始のタイミングは、ミランコビッチサイクルとして知られる、天文学的現象がペースメーカーとなっている。
地球が太陽の周りを回る公転軌道の形(真円に近づいたり、ほんの少し楕円形に伸びたりする)、自転軸の傾きとその向きが、木星などの重力の影響により、それぞれ数万年という周期で変動する。

 これによって、地球が受け取る日射量の大きさや分布が変化するが、特に、北半球高緯度の夏の日射量がポイントである。
これが小さくなると、北半球に降り積もった雪が解け残って蓄積していき、氷河が拡大することで、間氷期から氷期への移行の引き金となりうる。
逆に、この日射量が大きくなれば、氷河を縮小させて、氷期から間氷期への移行が起きうる。

 もう少し具体的にみてみよう。
暦に詳しい人は、一年のうちで地球が太陽からもっとも遠ざかる
「遠日点」が、7月の始めに訪れることをご存知かもしれない。
つまり、現在は、北半球の夏に、地球は太陽から遠く、日射量が相対的に小さい。
実は、これが氷期が始まるための重要な条件なのだ。
逆に、現在の間氷期が始まった1万2000年ほど前には、北半球の夏は「近日点」に近く、日射量が相対的に大きかった。

北半球の夏に遠日点を通過する地球。この条件のとき北半球高緯度の夏の日射が相対的に小さくなり、氷期への移行が起こりうる
 しかし、現在は、北半球高緯度の夏の日射量が極小になったにもかかわらず、公転軌道がそれほど楕円でなかったこと、自転軸がそれほど「立って」いなかったこと、そして、CO2濃度が少し高かったこと、といった幸運(?)が重なって、氷期が始まらなかったと考えられる。

 実際、現在と条件がよく似ている40万年ほど前には、地球の自転軸が現在と比べてほんの少し(1°弱)「立って」いただけで、氷期が始まった(自転軸が立っているほど、高緯度の夏の日射は弱まる)。
また、同じく条件が似ている80万年ほど前には、現在より公転軌道がほんの少し楕円で、かつCO2濃度が40ppmほど低かっただけで、氷期に突入していたのだ。

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続きはソースで

Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/emoriseita/20180603-00086007/

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引用元: ・【環境】今の人類が大寒冷期とニアミスしていたことを知ってましたか? そして次の寒冷期の到来は?


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Source: 理系にゅーす