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1: 2023/05/23(火) 22:49:08.30
ベストカー2023年5月23日
https://bestcarweb.jp/feature/column/646133

 自動車を取り巻く料金は色々と「高い!」と言われている。高いと感じるものは様々だが、自動車関係の料金の中でも、海外から日本に来た人が驚かされるのが高速道路の料金だそうだ。日本の高速道路料金は諸外国に比べてどれほど高いのだろうか?

 NEXCO中日本のホームページを見ると1kmあたりの料金は普通車で24.6円とされている。基本料金として150円が存在し、これに24.6×距離が料金として上乗せされる訳だ(消費税は別)。

 なお、東京・大阪の大都市近郊区間は29.52円。恵那山トンネルや飛騨トンネルなどの長大トンネル区間は39.36円となっている。ちなみに端数は四捨五入されて10円単位での料金設定とされる。

 では24.6円/kmという料金は海外と比べて高いのだろうか?はっきり言えば高い。まず、高速道路が無料となっている国も多い。代表的な例で言えばドイツのアウトバーンやアメリカのフリーウェイだ。大型車など一部車種や区間が有料な場合もあるが、ほとんどがまだまだ無料だ。

 もちろん、高速道路料金が発生する国もある。フランスやイタリア、スペインなどだ。しかし、これらの国も日本に比べれば安い料金となっている。

 国土交通省の資料によるとフランスは2017年度末時点で15.6円/km、スペインは13.4円/km、2016年度末の時点でイタリアは平地部が8.7円/km、山地部が10.3円/kmとなっている。なお、1ユーロ120円での計算だ(2019年の資料であるため)。

 レートの違いこそあるが、現在の日本の高速道路料金の半分から2/3程度の料金と言えるだろう。

 そもそもなぜ有料なのだろうか?有料の理由としては借金で作った道路だからだ。

 戦後間もない時期から始まった日本の高速道路建設、各種復興事業を考えるととても税金だけでは補いきれなかったのだ。借金で建設し、料金収入で返済していく形を取ったのだ。

 それぞれでかかった総費用を通行料金で返済し、返済し終えた路線から無料となる計画だった。「じゃあいつかは無料に…」と思うが、その計画を無くしたのが田中角栄政権下の1972年に導入された高速料金全国プール制だ。

 この制度は簡単に行ってしまえば路線ごとの計算を無くし、全国の高速道路料金をひとまとめに計算して返済するというもの。高速道路は増え続けている訳だし、修繕やメンテナンスも必要となる量が年々増えるため、これでは長い時間が経過しても高速道路は無料にならない。

 高速料金全国プール制のせいで高速道路の無料化が先延ばしになっていると思うと、悪のような制度に思ってしまうかもしれない。しかし、この制度がなければ利益化が難しいと思われる各地方への高速道路延長は無かったであろう。今日の充実した高速道路ネットワークが実現できた大きな理由と言えるだろう。

 そして高速道路料金が高い理由。理由は様々ですが、諸外国に比べて建設にお金がかかってしまうからだ。

 これは単純に「コスト削減が下手」という訳ではない。日本は山間部が多く、高架橋やトンネルが必要であること、地震が多いため耐震強度が必要であることなどから建設費用を高くせざるを得ないのだ。

 有料なのも、料金が高いのも致し方ない理由だから諦めるしかない…と感じてしまう日本の高速道路事情だが、もう少し料金体系に創意工夫を施してほしいとは思う。

 例えば割引制度だ。日本では休日割引や深夜割引などがある。しかし、よく高速道路を利用する一個人の自動車メディアの人間としては、多く利用する人にとって得がある割引制度も検討して欲しいと思う。

 例えばフランスでは運営会社によって違いがあるが、一部の会社では一定期間の利用頻度ごとに段階的に割引率を上げる制度を取っている。これならば長距離移動が多い人も高速道路の利用を控えることが少なくなるだろうし、高速道路の運転に慣れたドライバーの利用が増えやすくなると思う。より円滑でスムーズな高速道路移動が出来て多くの人がハッピーなのではないだろうか。

 日本で高速道路が無料となる日は遠そうだが(2115年まで延長されることが閣議決定した)、割引制度の見直しなどで多くの利用者のためになりやすい料金面での創意工夫は頑張ってほしいと感じる。


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Source: 理系にゅーす