■見た目はそっくりだが「遺伝的に深く隔たる」種が存在していた! 南米
世界で最も重いヘビが大きな秘密を隠していたことが明らかになった。
2024年2月16日付けで学術誌「MDPI Diversity」に掲載された論文によれば、南米にすむオオアナコンダ(Eunectes murinus、英名Green Anaconda)は、
実際には遺伝的に異なる2つの種に分けられることがわかった。両種の見た目は非常に似ているため、専門家でさえ区別できないほどだ。
「遺伝的には、違いは非常に大きいです」と、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)で、オーストラリア、クイーンズランド大学の生物学者であり、
論文の著者の一人でもあるブライアン・フライ氏は言う。
「遺伝的には5.5%異なります。私たちとチンパンジーの遺伝的差異が約2%だといえば、この違いの大きさが実感できるでしょう」とフライ氏は述べる。
この衝撃的な発見をするために、フライ氏らはエクアドル、ベネズエラ、ブラジルなど南米各地のオオアナコンダから血液と組織のサンプルを集めた。
この過程は、ナショナル ジオグラフィックによって独占的に記録されており、ディズニープラスの『Pole to Pole With Will Smith』シリーズで放送される予定だ。
また、フライ氏らはオオアナコンダを注意深く観察し、うろこの数を数え、進化的な分岐を示す可能性がある他の身体的な特徴がないか探った。
遺伝子データを解析した結果、氏らは、北部と南部のオオアナコンダの明確な違いを発見した。
この発見に基づき、氏らは北部で見つかったオオアナコンダをキタオオアナコンダ(Eunectes akayima、英名Northern Green Anaconda)という別の種に分け、
E. murinusは南部のミナミオオアナコンダ(英名Southern Green Anaconda)としようと提案した。
フライ氏は、分析が終わったとき呆然としたと言う。
「あそこまで違いがあるとは予想していませんでした」とフライ氏は言う。「本当に衝撃でした。私たちは皆、喜びのあまり踊っていました」
一見同じように見えるヘビを2つの種に分けるのは、ささいなことにこだわっているように思えるかもしれないが、
フライ氏は、彼らに対する脅威を理解する上で、この区別がいかに重要であるかを強調している。
現在、国際自然保護連合(IUCN)は、生息している範囲の広さなどに基づいて、オオアナコンダを絶滅リスクの最も低い「低危険種(Least Concern)」に分類している
「これは重要です。なぜなら、新たに報告されたキタオオアナコンダの生息範囲はミナミオオアナコンダよりもはるかに狭いため、より危機にさらされやすいからです」とフライ氏は言う。
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Source: 理系にゅーす