【海外発!Breaking News】友人の食べ残しを食した男性、敗血症を発症し足を切断する羽目に(米)<動画あり>
アメリカ在住の男性が敗血症を発症し、手の指と足を切断することになってしまった。友人がレストランで食事中に嘔吐して持ち帰った料理を食べたことが原因とみられていたが、複数の起因が重なったことによるアクシデントの可能性も否定できないようだ。『The Sun』『Newsweek』などが伝えている。
医療系の動画を配信するYouTubeチャンネル「Chubbyemu」で、2月16日に公開された動画が注目を集めている。動画の内容は米ニューイングランド在住で名前が“JC”とだけ伝えられている19歳の男性(以下、JCさん)が敗血症を発症し、壊死した両足と10本の手の指を切断してしまうというもので、すでに150万回を超える視聴回数を記録した。
この動画は米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)』に2021年3月11日に掲載された症例をもとにしたもので、敗血症を発症したJCさんは当時、ショック状態のうえに多臓器不全および発疹が見られたため、マサチューセッツ総合病院の小児集中治療室に入院した。
JCさんがこのような症状に陥ってしまった原因は当初、料理にあるとみられていた。友人が前日にレストランで食べた残り物のライスとチキンのまぜそば(ローメン)を持ち帰って冷蔵庫に保管していたもので、それを友人宅に泊まりがけで遊びに来ていたJCさんが口にしてしまったという。
するとJCさんは腹痛と吐き気に襲われ、そのうち全身に悪寒が走り脱力感に加え、胸痛、頭痛、首の後ろの硬直、視力の低下などに見舞われたため、JCさんは友人に病院へ連れて行ってくれるよう頼み救急病院で診察を受けた。しかし治療開始後に血圧がどんどん低下し、体全体に紫色の発疹が広がり始めて危険な状態と判断されたため急遽ヘリコプターでマサチューセッツ総合病院に搬送された。
この時JCさんは40度を超える高熱に心拍数が166pmにまで上がり、紫色の発疹が体全体に広がって手と足が壊死し始めてしまったのだ。JCさんは結局、壊死した10本の手の指と脚の膝から下を切断することになってしまったが、治療の甲斐あって命を取りとめることができた。
JCさんの症状は血液検査と尿検査の結果、髄膜炎菌による細菌感染症と診断され、これにより血液が凝固して肝臓が機能不全に陥ったようだ。また皮膚が壊死したのは、髄膜炎菌性敗血症の稀で重篤な合併症である「電撃性紫斑病」を発症してしまったのが原因という。
なお同じ料理を口にしたJCさんの友人は、病院のスタッフに「食べた後、一度だけ嘔吐したものの体調が悪くなることはなかった」と話しているそうだ。医師は症状がここまで悪化した原因について、JCさんが3回接種する髄膜炎菌結合型ワクチンのうち1回しか接種しておらず、ブースター接種をしていなかったこと、また疾病対策予防センター(CDC)が2~3回の接種を推奨する血清群B髄膜炎菌ワクチンも1回しか接種していなかったことを指摘している。
また別の医師によると、エビデンスから考えると食べ残した料理に原因があるように思えるが、今となっては麺から髄膜炎菌を培養し育てることは難しく、この食事に髄膜炎菌があったかどうかは分からないそうだ。
ただし髄膜炎菌は唾液を通じて感染することがあり、セキやくしゃみをして飛び散った唾液などを吸いこんだり、食器の共用でも感染するという。友人がその食事を吐いたことで、唾液から食事に菌が付着していた可能性もあり、JCさんに起きたことはかなり稀なアクシデントでさまざまな偶然が重なったゆえに発生したことと述べている。
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Source: 理系にゅーす