私の著書『フーコーの風向き-近代国家の系譜学』(青土社、2020年)の一部が用いられた(44-51ページ)。
それについて、はじめは何の気なしに問題を解いてみた私は、結果的に以下の問い合わせを早稲田大学入学センターに行うことになった(3月4日。メールの一部を改変なしに引用)。
貴学の教育学部国語の第一問に、私の著書『フーコーの風向き』からの出題がありました。
先日解答例が公表されましたので、それについての質問です。
 貴学の解答例 
 問一 イ 問二 ハ 問三 ニ 問四 ホ 問五 イ 問六 ホ 問七 ニ 問八 ハ 
 河合塾・代ゼミの解答速報(全く同じ) 
 ホ ハ ニ ホ イ ホ ニ ハ 
 駿台予備校の解答例 
 ホ ハ ハ ニ イ ホ ニ ハ 
 この論文全体の論旨、およびフーコーの思想を研究してきた上での私が考える解答例 
 ハ ハ ハ ニ イ ホ ニ ハ (駿台と同じ) 
 また、問二については貴学の解答例、予備校の解答速報、そして選択肢の消去法でハと解答してありますが、厳密には正解なし。 
 消去法ではなく、ハが正解となる根拠を、問題文中の該当箇所を示して説明いただきたいと思います。 
さらに、上記のメール文中に説明不十分な点があったので、追加で以下のメールを送った。
 問1について、私の解答と予備校の解答が異なるのに(駿台と同じ)と書いてしまっている点についてです。 
 フーコーの生権力論全体について最も適切なのはハです。しかし課題文の範囲ではホを正答とすることももっともだと考えます。その点を明記しておりませんでした。 
 つまり、そのことを考慮するなら、問1はホとなり、つまり駿台と同じになります。  
 上記を見れば分かるとおり、問一に関しては予備校間で正答が一致、大学の「解答例」のみ異なっている。 
 ただし、3月11日に確認したところ、駿台は3月1日の早稲田大学からの「解答例」発表後に解答を変更し、すべて大学と同じものに修正した。 
 その上で、「解答」とは別の「分析」のページに、速報の際の選択肢を挙げ、問一、問三、問四について別解の可能性を示唆するやり方を取っている。 
 問一について「ホが誤りと言えるかは疑問」、問三について「ハとニの違いは不明瞭」、問四について「ニが誤りと言えるかは疑問」と書かれている。 
 河合塾と代ゼミは3月11日の段階では変更していない。 
国語問題そのものについては、各予備校のページから、新聞社が出している問題掲載ページにリンク (1,2)がある。ここでは全文を掲載できないので、参照していただきたい。
私からの上記の問い合わせに対する大学からの回答(3月9日)は、次のとおりであった。
 ご意見いただきありがとうございました.頂いたご意見に基づき, 
 学部内で検討した結果,いずれの設問についても訂正の必要は 
 ないとの結論に至りました. 
 入試問題への問合せについては,個別にお答えはしていません 
 ので回答は差し控えますが,今後の参考にさせていただきます.  
 これも原文のまま引用している。納得できない、というよりこれで納得する人がいるとは思えない回答なので、同日改めて問い合わせた。 
 全く同じ回答をもう一度受け取っただけであった(3月10日)。 
 再度の問い合わせの際、こういった回答に終始するならば「ネットでの公表を含めて」対応を考えると早稲田大学側に知らせておいたので、ここに疑問点を公表することにしたい。 
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Source: 理系にゅーす
 
 
 

