「そろばん」習い事では上位の人気 計算よりも「能力開発」狙い? 現代らしくタブレット画面はじく新教材も:東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/341577
2024年7月22日 12時00分
今月から発行された新紙幣で1万円札の顔になった渋沢栄一の考えが記された「論語と算盤(そろばん)」が昨今注目されるが、「そろばん」自体も根強い人気があるようだ。活況な教室だけでなく、タブレット端末に再現した教材も登場し、世界に広がる。昭和期の代表的な習い事だったそろばんが今、改めて評価されている理由とは。(山田雄之)
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教育大手ベネッセコーポレーションでは22年秋からオンラインの「チャレンジスクール」で年長から小学生向けのそろばん教室を開校。同社担当者は「保護者から『通わせたいのだが近所にない』と開校を望む声が多くあった」と明かす。
そろばんをタブレット端末で再現した教材「そろタッチ」をDigika(デヂカ・東京)が開発。16年からサービス提供を開始し、今月時点で世界18カ国地域の計293教室に広がる。開発した山内千佳会長(58)は「そろばんの木のぬくもりは感じられないが、頭の中で再現しやすい仕組みで暗算力を伸ばしやすい」と語る。
◆答えが簡単に見つかる時代だからこそ「そろばん」
ベネッセ教育総合研究所と東京大の15~23年の調査では、そろばんを習っている小学生は低学年、高学年ともに10%前後で推移。木村治生主席研究員は「運動系を除いた習い事の中で4、5番手に位置し、人気は根強い。幼少期に習った保護者が、子どもにも学ばせたいと思うケースも多いようだ。計算力や数量感覚だけでなく、集中力や達成感など副次的効果も期待できると考えられているのだろう」と分析する。
「日本そろばん資料館」(東京)の名誉学芸員で、「そろばんの先生」として小学校で出前授業を行っている谷賢治さん(86)は「インターネットや生成AI(人工知能)の登場で以前より簡単に答えが見つかるようになった。そんな時代だからこそ、自分自身で玉をはじいて答えにたどり着こうとする過程はきっと大切です」と話す。
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Source: 理系にゅーす