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1: 2021/06/11(金) 09:07:33.65
 9人――2021年、東京大に合格したが入学手続きをとらなかった人数、つまり入学辞退者数である。なお、2020年は19人も辞退者がいた。表は2020年の国立大学の入学率ランキング(朝日新聞出版『大学ランキング2022』から)だ。上位は入学辞退者が少ない大学で、東京大は3位の99.4%。入学辞退者の割合は0.6%だった。

東京大は日本の大学の最高峰、と考える人にすれば、入学辞退は「あり得ない」話で、9人とか19人はとても多いと感じるはずだ。東京大を蹴ってどこへ行くのだ、と理解に苦しむこと、この上ない。

 しかし、大学受験事情に詳しい予備校関係者ならば、「だいたいこんなものだろう。今年の9人は少ないんじゃないかな。たいてい2桁はいる」とクールに受け止めている。

 入学辞退者9人の科類別内訳は、文科I、II、III類、理科III類はゼロ。理科I類3人、理科II類6人となっている。これまで、東京大の入学辞退者のほとんどは、他大学の医学部へ進んでいる。なかでも慶應義塾大学医学部は人気が高い。この傾向は半世紀近く、変わっていない。

 ならば、はじめから東京大を受けなければいいのに、と思われるだろうが、ここには、受験生の微妙な心理が揺れ動いている。次のようにまとめられる。

●理III志望だったが、センター試験(大学入学共通テスト)の点数が悪かったため、理I、理IIに志望を変更。合格したものの医師の夢は捨てきれず、他大学医学部へ進んだ。

●やっぱり最高峰の「東大理III」に行きたいという気持ちが強く、入学せず、再挑戦する。

●医師になりたいと思う気持ちが高まり、後期日程で国立大学医学部を受験、あるいは浪人して再挑戦する。

●東京大よりも、自分の好きなことを学べる他大学に入りたいと思った。

 さらに大学入試の歴史を振り返りながら、東京大の入学辞退のさまざまなケースを見てみよう。

(1)病気による進学断念。
 1950年代、結核など重い病気を患って長期静養が必要とされたことで東京大をあきらめた。
(2)経済的理由で進学断念。
 1950年代、家族を養うため、東京大をあきらめた。

(3)入学手続き前に病気、不慮の死など。
 レアケースだが、1960年代まで見られた。

(4)親の反対で進学断念。
 地方の天才または秀才女子高校生が合格。しかし、親は一人で東京で生活させることに大反対して、地元の国立大学に進んだ。これも1960年代までのレアケース。

(5)医学部へ進学。
 現在の入学辞退でもっとも多い理由であり、このルーツは1970年代前後にさかのぼる。東京大入学辞退者の推移は1971年19人、72年22人、73年31人、74年35人、75年46人、76年49人。1969年の東大闘争で権威が落ちた、あるいは学生運動に巻き込まれたくないという見方もあった。なお、予備校の調査によれば、76年の辞退者が進学した医学部は、慶應義塾大19人、東京医科歯科大10人、信州大3人、群馬大3人など。これらのうち国立大学は、当時、東京大と入試日が異なっていた。

 1979年の共通一次試験の実施、つまり、国公立大学入試の一本化によって、東京大入学辞退者は減る。

(6)医学部ではない他大学へ進学。
 レアケースだが、文科III類合格者で早稲田大政治経済学部、慶應義塾大経済学部、上智大外国語学部、国際基督教大へ進んだという辞退者もいる。文Iをめざしていたが、共通一次試験(のちにセンター試験)の成績がふるわず、文IIIを受験して合格したものの、文学部系よりも実学を選んだわけだ。1980年代、バブル期前後に見られた。 

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/158acc3770afbd2fbef35e2dfe925ca9b43d08cf


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Source: 理系にゅーす