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1: 2021/07/13(火) 14:51:32.10
https://www.jiji.com/sp/v4?id=202107damezettai0001

依存症は「回復できる病気」

 「ダメ。ゼッタイ。」。30年以上にわたり、薬物乱用の防止を呼び掛けるために使われてきた標語だ。この標語が薬物依存症患者の立ち直りを妨げるとして、使用の是非について議論が起こっている。反対派が「依存症患者への偏見を強める」と主張すれば、標語に賛同する側は「乱用を始めさせないことが大切だ」と強調する。対立する双方に言い分を聞いてみた

 議論が起きたのは、厚生労働省の「大麻等の薬物対策のあり方検討会」だ。若年層を中心に大麻所持などで検挙された人は7年連続で増加しており、厚労省が「覚せい剤乱用期」に続く「大麻乱用期」の到来と位置付ける状況になっている。こうした背景から、有識者に今年1月から半年間、対策などを話し合ってもらった。

 一方で、薬物乱用は近年、アルコールやギャンブルとともに、依存症という病気だとの捉え方が進み、保護観察所などで再乱用防止プログラムの充実が図られつつある。厚労省も「依存症は回復できる病気だ」として、社会のサポートを啓発する取り組みを進めている。

 会議では、依存症対策も議題となり、その中で委員から「ダメ。ゼッタイ。」の標語について、「薬物依存症者本人やその家族が強く不満を持っている」といった問い掛けがあり、議論に発展したのだった。

 検討会の委員でもあり、以前から問題点を指摘している精神科医に話を聞いた。

◇ダメを強調、「治療の敷居高く」

 「『ダメ。ゼッタイ。』が相談しやすい環境を作るだろうか」。依存症患者の治療に取り組む国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦・薬物依存研究部長は、ダメなことだと強調するあまり、相談や治療につながる敷居が高くなってしまっていると訴える。「依存症患者が自分に対する嫌悪感やスティグマ(偏見)を内在化させてしまい、治療にアクセスするまで十数年かかる」と話す。

 以前、「覚せい剤やめますか、それとも人間やめますか」という標語があった。乱用者を人間扱いしていない表現と批判が出たが、当事者らは「ダメ…」もその延長と捉えてしまうという。薬物を使わせない予防活動は大事だとしつつ、「当事者を無視した行き過ぎた啓発は、逆に偏見を強化する」と批判する。「健康問題の啓発をするときに、その問題で苦しんでいる人たちの意見を聞くのはとても大事だ」と話し、依存症患者と向き合った対応を求めた。
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Source: 理系にゅーす