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1: 2022/04/09(土) 17:59:35.10
■治療ガイドラインに疑問を持っても見直されることはない

 標準がん治療は病期(ステージ)ごとの治療の方法や手順などが書かれた「治療ガイドライン」に沿って画一的に進められていきます。なぜなら、がん種別の学会や研究会などによって作成され権威づけられた治療ガイドラインは、がん治療医らにとってはバイブルとでも呼ぶべき絶対的な重みを持っているからです。

 実際、治療ガイドラインから外れた治療をあえて行おうとするがん治療医は皆無に近いと言っていいでしょう。その治療法が現時点で最良の治療であると信じ込んでいることが大きな理由の1つですが、仮にがん治療医らが最良とされる治療法に疑問を感じたとしても見直されることはほとんどありません。

 そんなことをすれば、自身の所属する医療機関や学会などの権威者から睨まれ、がん治療医としての立場が危うくなる恐れがあるからです。

■患者と家族を苦しめる「乗り換え治療」

 そして、治療ガイドラインに書かれた治療の方法や手順が神聖不可侵である点は、手術後に再発を見た固形がんや最初から転移がある固形がん、すなわち抗がん剤では治せないはずのIV期固形がんに対する抗がん剤治療でも全く同じです。

 事実、がん種別の治療ガイドラインには、そのようなIV期固形がん患者に投与すべき抗がん剤の種類や量、投与の期間や手順などが時系列に沿って詳細に記されています。このような抗がん剤治療の計画シートは専門用語で「レジメン」と呼ばれ、がん治療医はこのレジメンを厳守する形で患者に抗がん剤を投与していくのです。

 中でも患者や家族らにとって悲劇的なのは、レジメンにも記載されている乗り換え治療です。乗り換え治療とは抗がん剤の種類を変えて継続される治療のことで、最近は最初から複数の抗がん剤を使用する多剤併用療法も盛んに行われていますが、ここでは話をわかりやすくするため1剤治療に単純化して説明します。

 この場合、がん治療医はまず、レジメンに示されている用量や回数や期間などに従って、標的となるがんに最もよく効くとされている抗がん剤Aを患者に投与します。ところが、この抗がん剤Aが一定の奏効を示したとしても、がんは抗がん剤Aに対する耐性を次第に獲得していき、最終的に抗がん剤Aは効果を全く示さなくなってしまいます。また、抗がん剤Aが最初から全く効かないというケースも少なくありません。

 ちなみに、治療ガイドラインに示されたレジメンでは、最初に行われる抗がん剤治療は「1次ライン」と呼ばれています。以後、乗り換え治療は2次ライン、3次ライン、4次ライン……と続けられていきますが、がん種や投与方法によっては、乗り換え治療が10回以上にもわたって継続されるケースもあります。

 しかも、前述したように最近は1次ラインから多剤併用療法が選択されるケースも多く、その後の乗り換え治療も含めて、数多くの抗がん剤を使用することがあたりまえになってきています。まさに「抗がん剤漬け」とでも呼ぶべき現実がそこにあるのです。

■抗がん剤漬けにされた患者を待ち受ける運命

 では、治療ガイドラインとレジメンを信奉するがん治療医によって抗がん剤漬けにされたIV期固形がん患者には、どのような運命が待ち受けているのでしょうか。

 抗がん剤は猛烈な毒性を持つ薬剤です。その猛烈な毒性ゆえに、抗がん剤は「がん細胞」だけではなく「正常細胞」をも次々と殺傷していきます。

 つまり、抗がん剤治療はがん細胞であるか正常細胞であるかを問わず、ヒトの全細胞に絨毯爆撃を加えていくような荒療治なのです。あるいは、がん細胞と正常細胞のどちらが先に白旗を揚げるか、生き残り競争をさせる荒療治と言ってもいいでしょう。

 当然、正常細胞が致命的なダメージを受ければ、患者は荒療治の甲斐なく死に至ります。いわゆる抗がん剤による副作用死(毒性死)です。また、正常細胞が致命的なダメージを受けなかったとしても、患者は抗がん剤による辛い副作用に耐え続けなければなりません。しかも、抗がん剤の毒性は治療の継続によって蓄積されていきますから、少なからぬ患者がいずれかの時点で副作用死してしまうのです。

 実際、治療開始から時を経ずして副作用死してしまうケースもあります。中には、きわめて稀ですが、最初の抗がん剤投与、たった1回の投与で急死してしまうケースすらあるのです。抗がん剤治療は「延命」を目的に行われますが、このように治療開始から短期間で死亡してしまった場合、患者の家族らは「抗がん剤に殺された」と感じるでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d5d8ea929165ca899eb44ee4547c8ddcff8a9fa?page=4


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Source: 理系にゅーす