ai_shigoto (1)
1: 2022/04/22(金) 04:19:31.44
「AI(人工知能)が仕事の大半を代替する時代がすぐそこまで来ている」。こんな予言が世の中に大きな衝撃を与えたのは今から9年前。しかし代替はさほど進んでいるようには見えず、人手不足も相変わらず深刻だ。

(中略)

あれ? AIで仕事がなくなってるんじゃなかったの?

 まず、AIによる代替論の有名なものをざっと振り返っておくことにしましょう。

 世間が「AIで仕事がなくなる」と騒ぎだしたきっかけとなったのは、2013年に発表された英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士の共同研究です。日本でもこの論文の推定手法を援用して、野村総合研究所(野村総研)が2015年に大掛かりなレポートを発表しています。

 前者は、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるという趣旨でした。後者では10~15年で5割弱の仕事がなくなるとしています。

 さて、それからすでに幾星霜ですね。フレイ&オズボーンの発表からは9年、野村総研レポートからも7年(研究時期からは8年)たちました。5割なくなるとかいうのであれば、もう1~2割の仕事は消え去って、失業率が数倍に跳ね上がっていてもおかしくありませんね。にもかかわらず、世界中どこを見ても、まだコロナ禍から立ち直ってもいないぜい弱な経済下なのに、人手不足が深刻化しているのです。

 ずいぶんとおかしくはありませんか?そう、これらの予測は「はずれた」とそろそろ誰かがしっかり振り返るべきでしょう。

(中略)

RPAはできないことだらけ、ロボットは不採算

 さて、今度は私が実際に雇用現場を取材して歩いて感じた「AIで仕事がなくなる」論の齟齬について書きます。

 その前に皆さん、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とロボットという言葉をご存知ですか?この2者の違いが大きなポイントなのです。以下、両者について簡単に定義しておきます(詳細には異論があるかもしれませんが)。

 AIというのはあくまでも「知能」の代替であって、肉体を有するわけではありません。つまり、AIだけでは物理的な行為など全くできないのです。物を動かすような「メカ」が加わって初めて、物理的な作業が可能となる。この「AIとメカを組み合わせた」機械をロボットと呼ぶことにしましょう。一方、RPAはAIと簡単なインターフェースのみで、物理的な作業はできないものを呼ぶことにします。

 例えば、ゴルフの指導を考えてみましょう。プロのコツや技を寄せ集めてAI化し、スイングやパットの指導をできるようなエンジンを作りました。これをスマホやタブレットに入れて、撮影した自分のスイング動画を採点してもらい、どこがいけないかディスプレイ上で示す、というのがRPA。対して、人間に近いようなアームを持ち、レッスンプロのように練習者の腰や腕に触れ、フォームの悪いところを矯正してくれるのが、ロボットです。

 皆さん、これ、どちらがすぐ市販化できると思いますか?また、市販化されたら値段はどうなるでしょう?

 RPAに関しては、近い将来商品化されるでしょう(もう既にあるかもしれません)。一方、ロボットの方は、直近では無理ですし、発売されても手が届かない値段になると、直感的に分かるのではありませんか?それがそのまま、「AI代替論」の盲点なのです。そう、AIは物理的行為を伴うと、途端に実用性が低くなるのです。

「ケーキ屋のお姉さんの仕事をAIに代替」は非現実的

 現在、世の中には人手がかかる作業がたくさん存在します。それらの多くを「単純作業」と呼び、「誰でもできる」と軽く見なす風潮があります。その流れで何となく、単純作業はすぐにでも機械代替されそうだという話がそこかしこで聞かれます。ところが、雇用現場で念入りに取材すると、それが真逆だと分かるのです。

 現在の先進国では人件費の高騰から、「なるべく作業は機械化」しています。にもかかわらず、今なお残っている単純作業というのは、「機械ができない」仕事の寄せ集めなのですね。AIならそのコツ・技も再現できそうですが、大きな壁が立ちはだかります。それが「多様な物理的作業」です。工場でも建設現場でも「その壁が超えられない」と、取材した企業は口をそろえます。

(全文はこちら)
https://business.nikkei.com/atcl/plus/00035/033000003/


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Source: 理系にゅーす