1: 2019/01/30(水) 14:00:44.19 ID:CAP_USER
地球の岩石の中で、最も古く保存状態の良いものを、科学者たちが見つけたかもしれない。採集場所はなんと、月だ。

 1月24日に学術誌「Earth and Planetary Science Letters」オンライン版に発表された研究によると、1971年、アポロ14号の宇宙飛行士たちが採取した石のひとつに、40億年以上前の地球の石が含まれている可能性があるという。

■地球から月まで弾け飛んだ?

 もちろん、太古の月の地下深くになぜか水分豊富なマグマのプールがあって、石がそこで形成された可能性もある。だが論文の著者たちは、石は地球の地殻で形成され、地球に隕石が衝突した拍子に月まで弾き飛ばされた可能性のほうが高い、と考えている(当時は隕石の衝突が多かった)。(参考記事:「地球への天体衝突が2.9億年前に急増、今も継続か」)

 そうだとすれば、この塊はこれまでに見つかった最古の地球の石のひとつということになる。最も古い鉱物はオーストラリアのジャックヒルズで見つかっており、44億年近く前のものと推定されている。だが、この年代推定については疑問が呈されているうえ、たとえ鉱物が実際にそのくらい古いとしても、それらは大昔に崩壊してしまった岩石の残りかすでしかない。それに対して、アポロ14号が持ち帰った石は、完全な保存状態にあると言ってよいのだ。(参考記事:「地球最古の地殻、44億年前と年代特定」)

「ジャックヒルズ(の鉱物)がばらばらの結晶に過ぎないのに対し、こちらのものは厳密に言っても、まさに『石』なのです」と、今回の論文の筆頭著者であり、スウェーデン自然歴史博物館の研究員でもあるジェレミー・ベルッチ氏はメールで述べる。

「月の石」をガラス越しにのぞき込む技官たち。アポロ14号計画で月から持ち帰られたバスケットボール大の石は、かつて14321と呼ばれた。(Photograph by NASA)

 今回の発見は、月が太陽系の歴史を保存していることを裏付けるものでもある。月は非常に古く、空気を持たず、また地質学的に不活発であるため、その表面には初期の太陽系における隕石の衝突の歴史が残されている。月表面に散らばっている石のかけらのうち、最大0.5%は地球で形成されたもので、なかには金星や火星などからやってきたものもあると考えられている。(参考記事:「月の誕生物語に三つの新説、ネイチャー誌」)

 しかし、アポロ14号の石が本当に地球由来のものであるならば、初めての発見ということになる。

「本当なら、すごい発見です」と、地球の隕石クレーターの化学的研究をしている、米テキサス大学オースティン校の研究員、コーネリア・ラスムッセン氏は言う。「そこまで古い石は地球にありませんから、地球上の物質では知り得ない時代について知る手段を手に入れたことになります」

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引用元: ・【宇宙】〈解説〉アポロ14号が採取した「月の石」は地球最古の石だった、40億年前に形成[01/22]


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Source: 理系にゅーす