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1: 2024/12/09(月) 20:13:02.61
「AO入試はバカでラクでズルい」は時代遅れ…東北大学が「筆記だけの一般入試をやめる」と宣言した本当の理由
イノベーションを生まない「受験秀才」はもういらない
PRESIDENT Online2024/12/09 18:00
https://president.jp/articles/-/88903

東北大学は11月22日、AO(総合型選抜)入試II期の合格者を発表した。定員は全10学部合計で288人。全学部の入学定員の約12%に上る合格者が発表された。

来年2月にはAO入試III期(定員383人)が実施される。この2回のAO入試で全入学定員の約30%の学生が入学する。AO入試の入学定員は、制度を導入した2000年度入試(8.5%)から徐々に増え、2021年度以降は30%を維持している(AO入試I期は2013年度に廃止。この他に科学オリンピック入試や帰国生徒入試などがある)。

文部科学省の調べによると、これから始まる2025年度入試の国立大学の平均AO入試比率は7.9%に過ぎない。学校推薦型選抜13.4%を加えても、21.3%である。東北大学は学校推薦型選抜を全学部でやめており、AO入試だけで30%を占めるというのは国立大学では飛び抜けた水準だ。

AO入試は、最近は「総合型選抜」と呼ぶことが多い。ひところ話題になった「一芸入試」とは異なる。

大学独自の筆記試験や大学入学共通テストの結果などで一定程度の学力があると評価した受験生に対し、志願理由や高校時代の活動報告を踏まえて面接などを実施する。そうした総合的な結果から、学ぶ力や意欲を判断して合否を決める選抜方法である。

筆記試験が優秀なだけでは合格しないし、何か一つの能力に秀でているだけでも合格はしない。

■筆記試験だけで合格者を決めることへの疑問
東北大学で初めてAO入試が導入されたのは2000年度。工学部と歯学部が最初だった。

工学部で導入当初からAO入試に携わってきた滝澤博胤理事・副学長(教育・学生支援担当)は「東北大学の教育理念は国際的リーダーを育成し、世界水準の創造的な研究成果を生み出し、広く社会へ還元することです。そのためには未知の課題に挑戦する気概が必要ですが、その能力を筆記試験だけで測れるのかという根源的な問いかけがあったのです。特に工学部の場合は自分の興味を突き詰めるのも大事ですが、安全・安心で豊かな未来をつくるというのが工学の目標。そんな熱意や意欲があるかを知る必要があります」と話す。

応用化学の研究者でもある滝澤副学長は「失敗体験もとても大事だ」と指摘する。実験で失敗することは多い。そんな時に投げ出してしまうのか、何クソと別のアプローチをトライし、壁を壊していくのか――。その差が成功するか否かの分岐点である。

受験生が持つそんな潜在力は面接や高校時代の活動報告から探る以外に術はない。筆記試験の1点刻みの優劣からは知ることは難しい。

工学部と歯学部の2000年度の導入をきっかけに、理学部(2001年度)、法学部(2003年度)、経済学部(2006年度)、医学部・農学部(2007年度)、教育学部・薬学部(2008年度)、文学部(2009年度)へと、AO入試はすべての学部に広がっていった。

一方で東北大学は学校推薦型選抜をAO入試導入とともに廃止した。

「学校推薦はある意味、受験生の選抜を高校側に委ねています。あくまでも大学の理念を踏まえて東北大学が学んでほしいと思う人を選抜したいからです」(滝澤副学長)

学校推薦には高校ごとに推薦人員が決まっている。希望者が多かった場合、誰を選ぶかを決めるのは高校側の裁量である。大学側が欲しい人材を自ら選抜するということに東北大学はこだわったのだ。

■データでわかった真実…入学後の成績はAO入試学生の方が優秀
AO入試が全学部に広がり、その比率が30%となったのは、筆記試験だけで入学した学生よりもAO入試で入学した学生の方が、入学後の成績が良いことが分かってきたからだ。

全合格者の4年間の成績を成績評価指標であるGPAで評価すると、2012年卒業以降ではすべてAO入試組が一般選抜組を上回る成績だった(図表1)。東北大学は「一般選抜とAO入試の成績には有意の差がある」(滝澤副学長)と受け止めている。

そもそも入学試験の難易度はAO入試の方が高いようだ。東北大学ではAOII期、AOIII期で不合格になっても、その後の一般選抜を受験することができる。一般選抜に再チャレンジして合格する学生が毎年200人以上いるという。東北大学を第一志望にし、何とか入学したいと考える受験生が多数、最後のチャンスとして一般選抜にチャレンジしているのだ。

AO入試組は難易度の高い試験をクリアしたからその後の成績もいいのだろうか? それも一つの理由かもしれないが、滝澤副学長は別の要因を指摘する。

※以下出典先で


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Source: 理系にゅーす