2018年10月、岡山県倉敷市の倉敷埋蔵文化財センターに勤める藤原好二さん(51)は、インターネットで相生市の傾斜量図を見ていて「古墳らしきもの」に気付いた。山上に円形の台地がうっすらと浮かんでいる。「正円の地形は珍しい」。ほかの前方後円墳と似ていることから、古墳がある可能性を相生市教委に伝えた。
市教委の現地調査の結果、IHI事務所の背後にある山の尾根(標高76メートル)に全長47メートルの古墳が確認された。4世紀ごろに築かれたとみられ、字(あざ)名の甲崎(こうざき)から甲崎古墳と名付けられた。
相生湾を見下ろす山上にあり、南は播磨灘、北は那波港へ向かう海上交通の要衝に位置する。市教委は「葬られたのは、播磨灘から相生湾に至る海上交通、流通を掌握していた豪族ではないか」と推測する。
保存状態は極めて良好。長く企業敷地内の山林だったことから、宅地造成などの影響を受けなかったことが大きいという。市教委は「人が立ち入る場所ではないので、藤原さんから連絡がなければ当分見つかることはなかっただろう」と感謝する。
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近年、測量技術の発達により、地形の高低差や傾きを詳細に反映した地図が生まれている。傾斜量図は兵庫県内の場合、大半が5メートル単位の航空レーザー測量を基に作られており、国土地理院は「(地図を基に)兵庫、大阪、奈良からは続々と古墳が見つかっている」とする。
藤原さんは甲崎古墳を含め、西は熊本、東は新潟まで計9基の古墳を見つけた。国土地理院は「古墳に限らず、山城、とりでなどさまざまな遺跡の調査に役立てていただけたら」としている。
神戸新聞NEXT 9/12(土) 14:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f2619350c9fe62a27042c242c2453939a4ea0a6
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Source: 理系にゅーす