H3は衛星や探査機を宇宙へ輸送するためのロケットで、現在の主力であるH2Aの後継機として開発が進められている。機体の主要部分について製造や動作確認にメドがついたため、今後、H3は発射場がある鹿児島県の種子島宇宙センターで打ち上げに向けた試験を始める。
最終テスト段階に突入する目前の1月23日、三菱重工の愛知県飛島村の工場で燃料タンクやエンジン部分を載せた「コア機体」が公開された。設計段階から機体の構造をシンプルにし、輸送重量に合わせてメーンエンジン、ブースター数の切り替えをすることによって推力を変えられるようにした。
搭載する部品は特殊なものを減らして自動車に使われる汎用品を用いたほか、3Dプリンターによる製造も採用した。機体に打つ鋲(びょう)をこれまでは手作業で打っていたが、機械装置を用いるなど製造工程も自動化を進めた。様々な面で作業効率を上げて受注から打ち上げまでの期間も短くする。
三菱重工宇宙事業部の奈良登喜雄・主席プロジェクト統括は「打ち上げ費を抑えないと使ってもらえない。高い信頼性とともに、コストが下がる仕様になるよう開発し、海外ロケットとの競争で存在感を出したい」と抱負を語った。
より安く、より短期間で宇宙まで運ぶ──。H3の目標をJAXAや三菱重工の開発メンバーに聞くと口をそろえてこう答える。高い打ち上げ成功率を誇る国産ロケットだが、低コストを意識せざるを得ない背景には、宇宙輸送の国際競争が激しさを増し、価格破壊がもたらされたことがある。
大型ロケットでパラダイムシフトを起こしたイーロン・マスク氏率いる米スペースX、仏アリアンスペースなどがライバルで、なかでもスペースXは今後打ち上げコストが劇的に下がるとみられる。H2Aの約100億円からH3に代替わりして約50億円を実現できたとしても、スペースXの攻勢によって「相場水準がさらに下がってしまえばコスト競争力だけで勝負できるかは不透明」(三菱重工)という。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/fd43049f0ccda9e9a30ac0dca69966c86f4de47f
2021年3月6日 17時00分
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Source: 理系にゅーす