女性が輝く時代と言われながらも、未婚・既婚・専業主婦・ワーキングマザー・パート・フルタイムなど、女性たちはそれぞれの立場で生きづらさを抱えています。
全米の女子高校生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で優勝したスカイ・ボークさんの母であるボークさんはその背景には、そもそも日本が先進国のなかで特に「女の子の学歴」への意識がとても低いことがあると語ります。
● 日本の女性はなぜ 「逆学歴マウント」をするのか
「夫は医学部出身」「元カレは東大卒」「息子は2人とも慶應」。女性同士の世間話やママ友たちのランチでこんな会話が出ることはありませんか?
その一方で「私は東大卒です」「私は医学部出身です」と率先して言う女性はほとんどいません。
付き合っている男性や夫の学歴が高い場合は「学歴マウント」で自慢しがちで、女性である自分の学歴が高いと逆に隠そうとする「逆学歴マウント」状態になるようです。
男性の学歴が高いことは良くても、どうして女性は自分の学歴を話すのをはばかるのでしょうか?
その理由は、子どもの頃から女の子への学歴に対する周囲の意識の低さを経験してきたからではないでしょうか。
女の子に学歴なんて必要ない――そんな文化で育ってきた女性が高学歴になれば隠そうとするのも、もっともな話です。人によっては親の期待を裏切るようで悪いことをしているかのように感じる人もいるようです。
● 日本は先進国のなかで最も 「女の子の学歴」への意識が低い
日本はさまざまな長所を持っている国ですが、「女の子の学歴」への意識については世界と比べると決して高いとは言えません。
OECDが15歳を対象に3年に一度加盟国で実施しているPISA(学習到達度調査)では、2015年に「大学・大学院まで進学したい」との問いに日本人男子は64.4%が、女子は52.8%が「したい」と答えた、という記事もあります。
(日経DUAL「女子の高等教育を比較 期待の低さ、理由は親にも?」参照https://dual.nikkei.com/atcl/column/17/1111184/110500014/?P=2)
記事によると女子の高等教育進学志望率が男子より低い国は日本とドイツのみで、その差が10ポイント以上も低いのは日本だけでした。
本は「女の子の学歴」についてはダントツの意識の低さなのです。反対にアメリカでは男子の学歴意識の低さが問題になっていて、2017年は全米の大学の学生数での女子が占める割合は56%でした。
他にも、日本における女子の学歴への意識の低さを証明するかのような数字が出ています。平成29年度の『男女共同参画白書』によると、大学進学率は男子が55.9%に対し女子が49.1%と、男子より6.8ポイント低いのが現状です。
● 日本で「女の子の学歴」が 重視されない2つの理由
女性の学歴への意識が低いのは冒頭にも述べたように「女の子に学歴はいらない」という日本の文化、社会的な通念のせいではないでしょうか。
1973年から5年毎に行われているNHKの「日本人の意識調査」で2018年に「女の子にも大学まで行かせたい」と言った親は61%でした。
1973年に調査が開始された当時の22%からすれば大きな飛躍ですが、男子の場合はこれが72%になります。女子に対する期待は今でも11ポイントも低いのです。
ベネッセが2015年に行った「幼児の生活アンケート」では男子を大学まで行かせたいと願う親は79.7%、女子は66.9%です。ここでも女子に対する期待は12.8ポイント近く下回っています。
このような親の考え方が影響すると、女の子は自ら「女の子には学歴がなくていい」と思うようになります。そこに拍車をかけるのが社会で共有された「女の子」のイメージです。
女の子は良妻賢母であるべき、あるいは男性より劣るという固定観念、また男性より勝る女性は生意気、勉強ができる女性はモテないなどの社会の風潮です。
このような考え方のもとで育つと学歴は女性の幸せを邪魔するとしか思えませんし、女性自ら学歴を放棄してしまうのです。
(>>2へ続く)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b592e5015377e466859b96ecb84b41212a995b84
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Source: 理系にゅーす