詐欺で使われるのは、化粧品や家電などを取り扱う実際のECサイトそっくりに作られた、偽サイトだ。
被害者が気づかずに偽サイト上で商品の購入ボタンを押し、代金を現金振り込みする。しかし商品は届かず、振り込んだ代金は戻ってこない――。
偽ECサイトを使った詐欺の典型的な手口だが、最近はこれで終わらない。
兵庫県警によると、購入手続きをしてしばらく経つと、サイトの担当者を名乗る人物からメールが届く。
「商品が欠品している」
「輸送中に商品を紛失した」。そんな理由で返金を申し出て、その後SNSでのやりとりに移行するよう指示される。
SNSでは、「返金サポートサービス」などを名乗るアカウントから、特定のキャッシュレス決済で返金すると伝えられる。
指示されるままにキャッシュレス決済アプリなどを操作する。すると返金を受けるはずが逆に送金させられ、二重で詐欺の被害者になる、というわけだ。
県内では1~8月、この手口の相談が31件あった。このうち13件で実際にキャッシュレス決済で送金し、計約367万円がだましとられた。1件当たりの被害の最高額は58万円だった。
相談者らは、送金操作後に相手と連絡が取れなくなるなどして詐欺に気づいたという。
被害に遭わないためにはどうすればよいか。
県警サイバー捜査課は、まずは偽ECサイトを使わないよう呼びかける。
偽サイトは、商品が異様に安くなっていることが多い。また代金の支払い方法がクレジットカード決済ではなく現金振り込みに限定され、振込先口座は個人名義の場合が多いのが特徴だという。
相手側からSNSでのやりとりを求められるのも、詐欺に気づく手がかりになる。同課担当者は「『キャッシュレス決済でしか返金できない』と言われたら、詐欺を疑ってほしい」と話す。(杉山あかり)
朝日新聞 2023年9月11日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASR983RSPR96PIHB01W.html?iref=comtop_7_02
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Source: 理系にゅーす