要因の一つと考えられているのが、「寒冷渦」と呼ばれる寒冷な低気圧の存在だ。
気象庁によると、寒冷渦の影響を受けると、台風が変則的な動きをしやすいという。今回は、九州の南の海上にあった反時計回りの寒冷渦が台風10号の西側を回り込むように南下。渦に引き寄せられた台風が、入れ替わるように西へ向かったとみられる。
また、台風の動きを阻む太平洋高気圧が予想より西側へ張り出したことも、進路を変えた一因という。
不確実な予想今後も、「予報円大きい」
なぜ「寒冷渦」を正確に分析できなかったのか。京大防災研究所の伊藤耕介准教授(気象学)は「寒冷渦は高度約10キロと高い位置にあり、解明されていない点が多い」と指摘する。その上で「そもそも海上の気象は陸上よりも観測が難しくデータが限られていて、台風の進路予測もいまだに難しい」という。
進路予想が不確実な状況は27日以降も続く。気象庁は、台風の中心が通る確率が70%以上と見込まれる地域を「予報円」で表しているが、26日時点の予想図では、30~31日は太平洋から日本海を大きく含むように予報円が描かれている。
気象庁の立原秀一・主任予報官は「この時点で5日先の予報円がこれほど大きいのは珍しい。今後も警戒すべき地域や雨量の見通しが変わる可能性をふまえ、最新の情報を確認してほしい」と話す。(大山稜、赤田康和)
朝日新聞 2024年8月26日 17時00分
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Source: 理系にゅーす