今春からワンマン運転を始めたJR南武線(川崎―立川駅間)で、朝の通勤時間帯の遅延が増加した。JR東日本横浜支社によると、ワンマン化後の4~6月、昨年同期と比べ、10分以上の遅れが2倍以上になったという。同支社は、列車到着時のドアを開けるシステムを変更したことなど複数の要因が考えられるとして、秋までにシステムや車両の改修などの対策を行う。(中瀬邦雄)
発車メロディーは聞こえにくく…
南武線は将来的な人手不足などに対応するJR東の取り組みの一環で、ワンマン運転となった。車掌が乗務しなくなり、ドアの開閉は運転士が行い、発車メロディーもホーム設置のスピーカーではなく、車両側面のスピーカーから流すよう改められた。
ワンマン化に伴い採用された車両のドアとホームドアの連携システムの影響で、列車が到着してからドアが開くまで、以前より数秒長くかかるようになったことが要因の一つと考えられるという。
発車メロディーが車両側面から流れるようになり、空調設備の音や周辺環境により、メロディーが聞こえにくくなっていることも判明。発車時間がわかりにくくなった。
このほか、沿線の人口増加で前年度より混雑率が上昇していることも一因としている。特に他路線への乗換駅で列車が出発するまでに時間がかかっているという。
同支社は遅延の対策として、今秋までに、列車到着からドアが開くまでの時間を短縮するようシステムを改修し、発車メロディーの音量を上げる改修も実施する。将来的にはダイヤの一部見直しも検討する。
南武線ホームの混雑対策として、川崎駅では朝夕の通勤時間帯に利用者がスムーズに移動できるよう一部のエスカレーターを上り専用にするなどの対策も。
同支社は、これまでも遅れの原因になっていた線路内への人の立ち入り、落とし物なども遅延増加の要因で、「ワンマン運転自体が遅れの原因ではない」との見解で、担当者は「利用者の意見に応え、利便性向上の取り組みを進めていきたい」としている。
来年春には、横浜・根岸線でもワンマン運転が導入される予定だ。
読売新聞 2025/08/29 14:05
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250829-OYT1T50048/
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Source: 理系にゅーす