まるで私たちにとって「最後の望み」のように持て囃されるワクチンだが、本当の効用は果たしていかほどなのだろうか。
 早急なワクチン接種に懐疑的な専門家がいる一方、かつての自由を求め、接種を選択する人も多い。 
 このまま猛烈なスピードでワクチンを打った人が増えれば、私たちの生活の何が変わるのか。 
 本誌はゼロからその疑問に答えるべく、コロナに詳しい現役医師に、 
 ワクチン接種後にマスクを外していい場面/まだつけなければいけない場面を聞いた。 
 まず、多くの人にとってなによりの「朗報」となる知らせがある。 
 ワクチン接種者が増えれば、散歩などの外出時には、マスクをつけなくてもよくなることだ。 
 昨年来、私たちのストレスになってきたのは、外出時のマスク着用だった。 
 マスクを忘れて外に出た瞬間、周りの人たちから罪を犯したかのように冷ややかな目を向けられる。 
 その視線に耐えられず、自宅へと戻った人も多いだろう。 
「ワクチン接種が進めば、自宅から近い場所へ出かける際にはマスクをつけなくても大丈夫です。
 そもそも、長引く自粛生活で、日本人は必要以上に自重することが習慣化していました。 
 ですが本来ならば、外気に触れ人との距離が保たれている場所であれば、感染リスクは低いのです。 
 ワクチン接種者が増えることで心理的な安心感が広まり、同時に過剰な『自粛警察』は少なくなっていくでしょう。 
 そうなることで社会の雰囲気はずいぶん変わっていくはずです」(浜松医療センター・感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師) 
 それだけではない。昨年の緊急事態宣言下、多くの人々が旅行を我慢してきた。 
 ワクチン接種がつつがなく進めば、煩わしいマスクをつけることなく、旅行を満喫できる日がやって来るかもしれない。 
 「もちろん、新幹線を使う際に東京駅などのターミナルを経由する場合には、その時だけマスクを装着することは必須です。 
 ですが、人が密集しない目的地に辿り着きさえすれば、会話に気をつけつつもマスクをつける必要はありません。 
 あえて注意しなければいけない点を挙げれば、観光地にある小さな土産屋に入って店員さんと会話するときでしょうか。 
 その場面だけマスクを装着するのを忘れないで下さい」(福井大学医学部の岩崎博道教授) 
 4月25日の緊急事態宣言から、飲食店は酒類提供の停止を要請されてきた。 
 早くお気に入りの店で飲み会を開きたい。誰もが、そんな日を心待ちにしている。 
 こんな状況も、少しずつ改善されていくだろう。「ワクチンが広まってからもしばらくは、友人や同僚などと飲みに行くときには、マスクの着用は必要でしょう。 
 ですが、たとえば夫婦など一緒に暮らしている家族とならば、よほど隣の席との距離が近くなければ、マスクを外して飲食を楽しむことができるようになります」 
 (ウイルスや細菌感染に詳しい石橋医院の石橋啓医師) 
さらにコンビニやスーパーでの買い物でも、マスク着用の必要はなくなっていく。
 基本的に、コンビニを利用する客はひとりきりで来店するケースがほとんど。大声で会話しながら買い物をする人はあまり見受けられません。 
 そのような場所でウイルスが飛沫感染する可能性は非常に低いのです。 
 スーパーにしても、たしかに夕方の時間帯などには子供連れの家族層など様々な客が押し寄せて『密』になる。 
 店側の方針には従うべきですが、その時間帯を避けさえすれば、神経質にマスクをつけなくてもいいでしょう」(五本木クリニックの桑満おさむ医師) 
さらに、ワクチンは打ってから抗体ができるまでに時間がかかることにも留意したい。
 「個人差はありますが、コロナワクチンは1回目から2回目までの注射で、3週間を空けることが一般的です。 
 さらに2回目の注射を終えてから十分に効果が出るまで、2週間はかかると考えられています。 
 つまり、ワクチン接種が始まってから抗体ができるまで、最低でも1ヵ月以上かかるのです。その間は、どんな状況であれ、マスクはつけておくべきでしょう。 
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83877?imp=0 
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Source: 理系にゅーす
 
 
 

