科学的な観点とマナーの観点から、専門家に聞いてみました。
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トイレットペーパーの先端を折って三角形にする「三角折り」。宿泊施設や店舗、オフィスなど、さまざまなトイレでときどき見かける。清掃した人が「清掃終了」の目印として行う場合もあれば、使った人が「マナー」や「次の人が取りやすいように」との親切で折る場合もある。しかし、用をすませた人が、まだ洗っていない手で紙に触れることに抵抗を感じる人もいる。さまざまな立場の専門家に三角折りの善しあしを聞くと、使った後については「必要ない」と口をそろえた。(井口文)
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■便が浸透、ウイルスや菌が付く
「やらなくていい」。信州大病院(松本市)感染制御室の金井信一郎副室長は、そう断言した。「トイレットペーパーは思った以上に染みる。排便の後にトイレットペーパーを使用すると、手にウイルスや菌が付く」。そのため、その手でトイレットペーパーに触れるとウイルスや菌が紙に移り、次の利用者に感染する恐れもある。
ドアノブや水を流すレバーなど、触らないといけないものは仕方ないが、マナーのために触る場所を増やす必要はないという。感染を防ぐために大切なのは、トイレを利用した後に手をしっかり洗うことで、「誰もが気をつけるべき」と注意を促した。
金井副室長は2018年、長野市保健所の職員向け研修で三角折りの感染リスクを助言。市保健所はこれを受け、三角折りをしないように呼び掛ける張り紙を保健所内のトイレに掲示した。
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■「マナーとは言えない」(略)
■清潔な手で折っています(略)
■清掃が済んだ証と勘違い(略)
■「親切心」だったのに…(略)
信濃毎日新聞2024/12/16 06:00
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024120500231
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Source: 理系にゅーす