他の例として、
{displaystyle sin 11=-0.99999020655dots }{displaystyle sin 11=-0.99999020655dots }
が整数に近い[2]。その理由は、半角の公式
{displaystyle sin ^{2}11={frac {1}{2}}(1-cos 22)}{displaystyle sin ^{2}11={frac {1}{2}}(1-cos 22)}
および、
22
/
7
が π の近似分数であるために cos 22 が cos 7π = −1 に近いことによる、と説明できる。なお、リンデマンの定理より、この数は超越数である。こういった数によく使われる円周率の近似としては、他に 3 + 0.1×√2 = 3.141421356… や 355÷113 = 3.1415929203539825… などがある[3]。
一方、なぜ整数に近いのか、合理的な理由が与えられていないものもある。ゲルフォントの定数と円周率との差
{displaystyle e^{pi }-pi =19.999099979dots }{displaystyle e^{pi }-pi =19.999099979dots }
がほとんど整数であることは、1988年頃にニール・スローン、ジョン・ホートン・コンウェイ、サイモン・プラウフによって相次いで指摘されたが、その理由は長らく知られていなかった[1]。
しかし、2023年9月にA. Domanによって、この一見不思議な一致の説明が与えられた。それは、ヤコビのテータ関数に関連する以下の無限和の結果である。{displaystyle sum _{k=1}^{infty }left(8pi k^{2}-2right)e^{-pi k^{2}}=1.}{displaystyle sum _{k=1}^{infty }left(8pi k^{2}-2right)e^{-pi k^{2}}=1.}この和では、第1項が支配的であり、{displaystyle kgeq 2}{displaystyle kgeq 2}の項の和は合計で{displaystyle sim 0.0003436}{displaystyle sim 0.0003436}程度である。そのため、この和は次のように近似できる。 {displaystyle left(8pi -2right)e^{-pi }approx 1,}{displaystyle left(8pi -2right)e^{-pi }approx 1,} ここで、{displaystyle e^{pi }}{displaystyle e^{pi }}について解くと、{displaystyle e^{pi }approx 8pi -2.}{displaystyle e^{pi }approx 8pi -2.}となる。 {displaystyle e^{pi }}{displaystyle e^{pi }}の近似式を書き換え、{displaystyle 7pi approx 22}{displaystyle 7pi approx 22}の近似を用いると、
{displaystyle e^{pi }approx pi +7pi -2approx pi +22-2=pi +20.}{displaystyle e^{pi }approx pi +7pi -2approx pi +22-2=pi +20.}
となる。したがって、項を並び替えると、{displaystyle e^{pi }-pi approx 20}{displaystyle e^{pi }-pi approx 20}が得られる。皮肉なことに、{displaystyle 7pi }{displaystyle 7pi }の大雑把な近似を用いることで、さらに1桁の精度が上がっている[1]。
なお、π + 20 が eπ に近いため、
{displaystyle cos{log(pi +20)}=-0.99999999924368dots }{displaystyle cos{log(pi +20)}=-0.99999999924368dots }
という変形も与えられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BB%E3%81%A8%E3%82%93%E3%81%A9%E6%95%B4%E6%95%B0
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Source: 理系にゅーす