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1: 2023/10/14(土) 17:32:03.06
 埼玉県深谷市の飯塚雅俊さん(59)は40年以上にわたり、昔ながらのモヤシを作り続けてきました。安値で販売される大量生産品に押され、廃業を考えたこともありましたが、モヤシのありのままを消費者に伝え、道を切り開いてきました。異常気象で野菜の生育不良が頻発する昨今、モヤシを育てて見えてきた価値について聞きました。

 本当に暑い夏でした。深谷も畑で野菜が育たなくて、直売所の店頭はがら空きになっていました。でもモヤシは一定の温度が保てれば育つ。生産に影響はありませんでした。

 天候不順で野菜が不作の時にも、変わらず安定して生産できるのが、モヤシです。俺はモヤシの価値の一つはそこにあると思っています。

 モヤシは原料の豆だけを養分にして、自らの成長力で育つ野菜です。豆を洗い、水に浸して発芽させます。発芽したら水から出し、光の当たらない栽培室で芽を伸ばしていきます。大気と水と、モヤシが発する発芽熱だけで育っていくのです。

 モヤシの出来は日々違います。伸びがそろっていない、根がピンと張っていない。そんないつもと違う兆しに素早く気づき、手当てを考えます。何をどうするか、データだけでは管理できない。生き物だから。

 3年前、どうしても成長が安定しない時期がありました。原因を突き止めるまでに半年かかりました。変化は新豆を使い始めた時と一致していて、新豆の状態に合わせ、栽培室の温度を前の年より3度上げる必要があったんです。

 モヤシはしゃべらないけれど正直。赤ちゃんのようです。常にモヤシを見て、さらに俺自身が全体で時の変化を感じなければいけません。虫の声が高くなり、彼岸花が咲いたら、ここに秋が訪れたということ。気温の下降を予感するといった具合に。今日はいいなと思える、良く育ったモヤシは、輝いて見えるんです。

 30年あまり前から、日本の…

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朝日新聞 2023年10月13日 13時30分
https://www.asahi.com/articles/ASRBF34THRBCUTFL01P.html


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Source: 理系にゅーす