うまみが発見されたことにより、和食がいかにうまみを上手に生かした料理であるかが世界中に知られるきっかけとなりました。
だしをベースにした和食は、「うまみを基本に構成する料理」といっても過言ではありません。
味や香りをそのままに料理をおいしく仕上げる和食は、四季や風土の豊かさが故の産物かもしれません。
さらに日本では、食材を長期保存するために発酵・熟成させる工夫も行われてきました。
味噌やしょうゆ、酢などの調味料、さらには納豆や漬物など、ごく身近にある発酵・熟成された食品は、タンパク質を分解することで、うまみが増します。
「グルタミン酸×イノシン酸」や「グルタミン酸×グアニル酸」のかけ合せで起こると言われている「うまみ」の作用を身近な例でご紹介いたします。
和食と聞くと、世界の人のイメージの中に、「お刺身」と思い起す方が多いようです。
このお刺身も、「グルタミン酸×イノシン酸」の組み合わせからできています。
お魚の旨みは、アミノ酸の「イノシン酸」が主成分で、醤油の旨みの主成分は「グルタミン酸」です。
お魚の旨味を最大限に生かす食べ方を日本人は無意識に行っていたことになります。
グルタミン酸とイノシン酸は、個別で利用するよりも、2つを合わせてみたところ、相乗効果でうま味が格段に増します。
東京農業大学 山口静子さんらの研究で、グルタミン酸・イノシン酸を単独の場合と合わせた場合を測定したところ、比率が1:1の時にうま味が最大7~8倍強くなることがわかりました。
1:1で合わせるとよりうま味が増すという事です。
和食派ならば、イノシン酸の「鰹節」とグルタミン酸の「昆布」を合わせることで、朝の味噌汁のおいしさが何倍にもなります。
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/inosine-glutamine
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Source: 理系にゅーす