記憶障害や集中力の低下などという症状を訴える人も多いが、 
 相談場所や診療環境がはっきりせず、放置して危険な状態になることもあるという。 
 東京都世田谷区が今月、感染者を対象に実施したアンケートによると、 
 回答があった3710人のうち48・1%が「後遺症がある」と回答した。 
 最も多い症例は、10~30代が「嗅覚障害」、40~90代は「全身の倦怠(けんたい)感」で、 
 味覚障害やせき、息苦しさ、頭痛、集中力低下などもあったという。 
厚生労働省のアドバイザリーボードは昨年1月から今年2月に入院した525症例を対象にした研究の中間報告を6月に公表している。
 それによると、退院時までに疲労感や倦怠感、息苦しさ、筋力低下、睡眠障害、思考力や集中力の低下、 
 脱毛などの症状があった患者の3割以上が、6カ月後にも同じ症状が認められたという。 
さまざまな後遺症のうち、記憶障害や思考力・集中力が低下するのがブレインフォグと呼ばれる症状だ。
 「患者の実感として、脳に霧がかかったようなもので、物忘れが増えたり、何かはっきりしない状態を指している」 
 と説明するのは、後遺症外来を開設している社会医療法人榮昌会吉田病院(神戸市)の夏目重厚副院長。 
 「手足は動くので職場に出るが、極度の疲れを覚え集中力が切れる。 
 休ませてほしいと言っても病気ではないことを理由に断られ、限界に達する例もある」という。 
 ブレインフォグは(1)自宅療養など狭い空間での隔離や周囲の目線、死への不安などに起因する心理的ストレス(2)うつ症状 
 (3)脳炎や微少の脳出血、脳梗塞などによる記憶障害などに大別される。 
 「うつ症状が半数以上と考えている。自覚がない人も『落ち込むことがあるか』『死にたくなるか』と質問すると、 
 『時々そうだ』と答えるなど危険な状態のこともある」と夏目氏。 
 対症療法が基本であることも課題だ。夏目氏は「診察には記憶力や理解力など認知機能を調べる時間をかけたテストが必要だが、 
 実施できるところは少ない。抗うつ剤で改善されることも多いが、精神科への抵抗があり放置してしまうケースもある」として、 
 自覚症状のある人に受診を呼びかけた。 
 http://www.zakzak.co.jp/soc/news/210919/dom2109190001-n1.html 
 理学療法士(左)のサポートで歩行訓練するコロナ後遺症を抱える患者 
 http://www.zakzak.co.jp/images/news/210919/dom2109190001-p1.jpg 
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Source: 理系にゅーす
 
 
 

