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1: 2024/09/03(火) 11:21:59.51
大量解雇を行なうアクティビジョン・ブリザードのような大手ゲーム会社で、ゲームソフトの開発に生成AIが使用されていることが『WIRED』の調査で明らかになった。どうやらゲーム業界は、AIによる征服が決定的になりそうな最大の産業かもしれない。

そのメールを見たとき、ノアは不安の波に襲われた。2023年春のことだ。大手ゲームソフト開発会社アクティビジョンのアーティストであるノアは、同社の当時の最高技術責任者(CTO)マイケル・ヴァンスが社員に送ったメッセージを読んでいた。そこには、人工知能(AI)は会社の「最優先事項」とあり、システムはまだ試験段階だが、「ここまで見た限りでは、とてつもなく有望だ」と書かれていた。

圧倒的人気を誇る「コール オブ デューティ」シリーズを手がける同社の社員には、こうしたメールがすでに何通か届いていた。前のメールでは、コンセプトアートを制作する際に、画像生成AIのMidjourneyとStable Diffusionを社内で使用してよいと許可していた。

その春、社員の裏チャットは、AIに取って代わられるのはこの仕事ではないかといった噂や警告、不安の声で溢れていた。経営陣を興奮させているものが、多くのゲームアーティスト、シナリオライター、デザイナーにとっては、生計を失う直接の脅威と映ったのだ。ノアは悲しみに打ちひしがれた(ノアは仮名。彼は報復を恐れているため、匿名とした)。

「人間性を投げ捨てていると感じました」と彼は話す。

やがて、仕事が消え始めた。

レイオフの波はさらに悪化

ゲーム業界──そしてゲームをつくる人々──は、困難に直面している。業界全体でレイオフ(一時解雇)に遭った労働者は、23年だけで推計10,500人にのぼる。2,000億ドル(約30兆円)近い規模を誇るこのセクターで、今年、レイオフの波はさらに悪化し、さまざまな開発スタジオで解雇された数は11,000人と見られ、その数は増え続けている。Xboxの販売元で、アクティビジョン・ブリザードなど複数の開発スタジオを抱えるマイクロソフトは、傘下のゲーム制作会社Tango GameworksとAlpha Dog Gamesを5月に閉鎖した。その間も、OpenAIとその競合他社がつくった生成AIシステムは、あらゆる業界にじわじわと浸透し、多くの人々のキャリアを潰している。

なかでもゲーム業界は、AIによる征服が決定的になりそうな最大の産業かもしれない。経済規模ではすでにハリウッドを超えて久しいゲーム業界だが、それでいて労働者のほとんどが組合に加入していない。ゲーム開発者会議(GDC)の主催者が行なった最近の調査によると、3,000人を超える回答者の49%が職場でAIが使われていると答え、5人に4人はその使用に倫理的課題があると心配の声をあげた。

「もう始まっています。間違いなく、いままさに起きていることです」。こう話すのは、ゲーム開発者でテクニカルアーティストのバイオレットだ。10年以上、AAAゲーム[編註:膨大な開発費を投じた人気作。読みは「トリプルエー」]を手がけてきた業界のベテランである。「AIが使われているところは誰もが目撃していると思います。あとは手段や程度の違いだけ。精霊は瓶から飛び出し、パンドラの箱は開けられました」

『WIRED』は、これまで報道されたことのないメールを入手した。さらに、アーティスト、開発者、デザイナーなど、AAAゲームを手がける数千人規模のスタジオから、数人規模の独立系会社まで、ゲーム業界で働く幅広い人々にインタビューした。そこから浮き彫りになったのは、すでに不安定な状態となっていた業界が、AIの台頭でさらに圧迫されている現実だった。

仕事が自動化されるとき、それが公平に、あるいはスムーズに進むことはめったにない。歴史を振り返れば、その影響ははっきり感じられる。多くの作業が機械やプログラムに移行し、熟練技術は不要になり、労働者が解雇・辞職・引退し、再雇用も別の労働者への置き換えもなく労働者は減少してきた。生成AIの場合も、あらゆる兆候から、まったく同じことが起きていると言えるだろう。

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WIRED
https://wired.jp/article/sz-ai-is-already-taking-jobs-in-the-video-game-industry/


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Source: 理系にゅーす