NHK 2020年12月1日 21時29分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201201/k10012739501000.html
12月2日クローズアップ現代+「老朽化するインフラの現状と対策」
(社会部記者 藤島新也・清木まりあ)
抜粋
■渡れない橋
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群馬県にある「鳴瀬橋」。
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これは北海道の「百松橋」。
国土交通省が調べたところ、自治体が管理する橋のうち、通行止めになっているのは2018年で2901。
2008年は977橋だったのに10年間で3倍近く増えています。
背景にあるのが…そう「老朽化」です。
■造ればそれでよかった
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■維持管理にかじを切れ!
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そんな中で起きたのが2012年12月2日の中央自動車道「笹子トンネル天井板崩落事故」。
9人が死亡した痛ましい事故をきっかけに、
専門家で作る国の審議会は「最後の通告」という衝撃的なタイトルで提言を発表しました。
『今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切らなければ、
近い将来、橋梁の崩落など人命や社会システムに関わる致命的な事態を招くであろう』
しかし…。
■進まぬ修繕
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「6割で修繕が始まってすらいない」
全国で修繕が必要とされた橋とトンネルは約7万3000か所。
■“お金が足りない”
最大のネックは、やはり「お金」でした。
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■4000万で直したのに…
苦しい自治体に追い打ちをかけるような事態も起きています。
相次ぐ災害です。
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流失した沖鶴橋
熊本県を流れる球磨川で、球磨村と人吉市をつなぐ「沖鶴橋」。
■インフラを“リストラ”せよ
秋のレビュー
こうした中、そもそもインフラが多すぎるとの声が上がっています。
今年11月に開かれた行政事業の無駄を検証する「秋のレビュー」。
この中で世界各国のインフラを比較する図が示されました。
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ちょっと難しいですが、要するに
「日本は他国に比べて桁違いに多くのインフラを抱えている…」ということを示します。
レビューに参加した専門家からは、
『インフラのリストラが必要』
『半分程度を目標に取捨選択を進めるべき』といった声が上がりました。
■データ駆使で「優先順位」を
「う回路」を通ると、どれだけ余計に時間がかかるのか、
住民でもわかりやすい指標を使って示すことで、
減らす道路や橋の優先順位をつける議論を前に進めようという試みです。
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う回路計算の結果
上の図は、ある場所で「う回路」を計算した結果です。
緑色の四角が橋の位置、青い線が橋が使えなくなった時のう回路を示しています。
左の場合は「う回路」の距離は200mほど。
余計にかかる時間は車なら1分弱、歩いて3分ほどです。
一方、右側の場合は「う回路」の距離は1800メートル。
車で5分弱、歩きだと27分もかかってしまいます。
う回路が長くなれば、救急車や消防車などの緊急車両が駆けつける際に時間がかかり、
生活に大きな支障が出るおそれもあります。
このケースでは、右側の橋の方が重要度が高く「残すべき橋」と、
優先順位をつけることが出来るのではないか…というのです。
■「私たち」も問われている
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201201/K10012739501_2012011547_2012011607_01_12.jpg
見えてきたのは、
国がインフラの維持管理にかじを切ると号令を出したものの、
実態が伴わない現実です。
安全を確保し、痛ましい事故を繰り返さないためには
「何を残し、何をたたむのか」を考えなければいけないなと。
問われているのは私たちの「覚悟」
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Source: 理系にゅーす