2021年10月に神戸に誕生した、劇場型アクアリウム「AQUARIUM×ART átoa(アクアリウム バイ アート アトア)」。水族館ということで、大きなサメやエイから小さな魚類を中心に水槽の中には様々な生き物が暮らしているのですが、実は、魚以外の生き物も観ることができるんです。今回はその中でも、特に気になった「オキナワシリケンイモリ」と「アルダブラゾウガメ」について、飼育員さんの東口信行さんに質問してみました!
(1)オキナワシリケンイモリ
――イモリとヤモリってどう違うのですか?
その2つは、全然違う生き物で、イモリは水の中に住んでいる、カエルやサンショウウオの仲間の両生類。ヤモリはトカゲやカメの仲間の爬虫(はちゅう)類なんです。
――イモリは何呼吸なのですか? また活動するのは水中だけですか?
生まれて3か月ぐらいまでは幼生と呼ばれる時期で、外鰓(がいさい、そとえら)があり、水の中で生活します。そのため、エラ呼吸と皮膚呼吸をしていますが、変態し大人になると肺呼吸と皮膚呼吸に変化します。大人になったら水と陸の両方にいます。
――イモリはどれぐらい大きくなるんですか?
オスは13~14センチ、メスは17~18センチぐらいまで大きくなりますね。メスは卵をたくさん産むためにオスより大きいのだと思います。ちなみにアトアにいるのは、みんな2歳以上の大人で、11月に産卵があったところです。今、裏で育てているところなので、そのうちデビューするかもしれません!
――イモリは家で飼えますか?
飼えますよ! アトアにいる「オキナワシリケンイモリ」は、沖縄に住んでいる暖かい地方のイモリなので冬にはヒーターが必要ですが、本州に住んでいる「アカハライモリ」なら飼いやすいのではないでしょうか。ペットショップにもたまにいて、イモリの人工飼料も売っています。金魚やウーパールーパーのエサも食べますよ。ただ、触られることをあまり好まないので、注意してくださいね。
(2)アルダブラゾウガメ
――アルダブラゾウガメは、何歳まで生きますか?
よくわかっていませんが、130歳ぐらいまで生きるのではないかと言われています。アトアにいるメスは30歳以上、オスは20歳ぐらいでやっと大人になったぐらいです。
――亀の背中にはなぜ甲羅があるんですか?
現在は、「肉食の動物から手足を引っ込めて身を守るため」ですね。もともとは違って、甲羅の起源に迫った論文によると、2億6000万年前のトカゲから亀に進化している途中の化石が出てきていて、どうやら初期の時は穴を掘るために甲羅が発達してきたのだと言われています。
――甲羅っていったい何なのですか?
人間でいうと肋骨(あぼら骨)なんです。肋骨が板状になって引っ付いたのが甲羅です! 甲羅の裏側には背骨が引っ付いたような形をしているんですよ。
――亀は何の食べ物が好きですか?
ゾウガメなどのリクガメは草食です。アトアでは葉っぱとリクガメ用のエサを主にあげますが、たまにあげるおやつのトマトとニンジンが好物です。一方、ミズガメの多くは雑食ですが、例えば、日本にいるイシガメは肉食よりの雑食で、アメリカにいるワニガメは肉食です。
――速く歩ける亀もいますか?
基本的には遅いですが、リクガメは特に遅く、ミズガメの方がちょっと早いです。野生下では、リクガメの天敵には走っても負けるので手足と頭を甲羅に隠して耐えます。一方、ミズガメは、陸で日光浴していて襲われそうになった時に、隠れるより急いで走って水の中に入る方が生存確率はあがるので、(リクガメに比べると)ちょっと速いのではないかと思います!
(取材・文=Lovelys)
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Source: 理系にゅーす