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 島根県松江市の海岸で2020年当時、4歳の男の子が見つけた生物が11月12日、新種として学術誌に記載された。 
 和名は「チゴケスベヨコエビ」と命名された。 
 父親で写真家の森久拓也さんが13日にツイートして大きな反響を呼んだ。 
 森久さんは新種の発見が子どものときの夢だったといい、息子がその夢を叶えたことを「感動しています」と 
 ハフポスト日本版の取材に答えた。 
「なんかおるよ!」と真っ赤なヨコエビを発見
 森久さんによると、2020年4月4日に当時4歳の長男と魚釣りに出かけたが、何も釣れなかった。 
 暇だったので岸壁にくっついているコケムシなどの付着生物を採集。長男と、その中に住んでいるベントス 
 (底生生物)を採って遊んでいたという。 
 そのとき、長男が「なんかおるよ!」と小さな生き物を見つけたという。それが、「チゴケスベヨコエビ」だった。 
 体長4mmと小さいが、真っ赤な美しい色をしていた。 
 森久さんは「ゴマツブの様な生物なので私の眼には全く入っていませんでした。 
 視点が地面に近く、眼が良いため子供は時に大人よりも生き物をみつけます」と振り返った。 
 肉眼ではよく分からなかったが、カメラで撮影すると「ヨコエビ」の1種だと分かった。 
 ヨコエビは小型の甲殻類の仲間で、厳密にはエビよりダンゴムシに近い種類だ。 
 日本からはこれまでに400種以上が報告されている。 
どうやら「スベヨコエビ科」のようだが、インターネットでどれだけ探しても同じ色彩、模様を持った生き物は見つからなかった。
 そこで、ヨコエビ研究の第一人者で、大阪市立自然史博物館の外来研究員を務める有山啓之さんに写真をメールした。 
 すると、「これは調べてみたいので送ってほしい」という返事だった。 
 そこで、同じ海岸で5月30日に採集し直すことにした。「謎のヨコエビ」が何の生物に付着していたか分からなかったからだ。 
 何度もコケムシやカイメンなどの付着生物を採集して「謎のヨコエビ」を探したが全く発見できず、長男は飽きていた。 
 しかし彼の協力なくては発見が困難。「謎のヨコエビ」を1匹みつけたら1つお菓子を買うというルールにしたところ、 
 2匹目となる個体を発見、これがきっかけでチゴケムシ上を探せば良いということに気付き、 
 最終的に10個体以上採集することができたという。 
 この再発見を受けて、有山さんが研究を重ねたところ、新種と判明。ニュージーランドの動物分類学の学術誌 
 「ズータクサ」オンライン版に11月12日に発表された論文で、「Postodius sanguineus」として新種記載された。 
 Postodiusはヒメスベヨコエビ属の属名。sanguineusは「血赤色の」という意味のラテン語から有山さんが命名した。 
 和名は、チゴケムシの中にいたことから「チゴケスベヨコエビ」とした。 
 森久さんによると、現在6歳の長男は今回の新種記載を「うれしい」と喜んでいたという。 
 森久さんは新種発見が幼少期の夢だったとして、以下のように振り返った。 
 「小さい頃に新種を発見したいと思っていた頃があったなと初心を思い出し、それを息子が達成した事に感動しています。 
 息子にとって忘れられない貴重な経験をさせていただいた有山先生に感謝しています」 
「『1いいね1円』でなんでも欲しいものを買ってやろうと思います」と書いたら大変なことに…
 論文記載の報告を受けた11月13日、森久さんは「震える・・・息子が4歳の時に発見したヨコエビ、なんと新種でした!」と 
 Twitterで歓喜の報告をした。 
 「本種を採取した最初の人類となった6歳児に『1いいね1円』でなんでも欲しいものを買ってやろうと思います!」と 
 書いたところ、投稿から24時間で46万2000件もの「いいね」がついた。 
森久さんは「息子に対するみなさんの温かい気持ちが届いてとても嬉しいです。あとTwitterを舐めていましたね…」と神妙な様子。
 その上で、「もちろん本人と約束したので、約束は守ります。欲しいものを考えてもらって、 
 残額は彼の通帳に入れようと思います」とハフポスト日本版にコメントしている。 
※以下、全文はソースで。
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Source: 理系にゅーす

